アメリカの図書館

アメリカの公共図書館の状況をPLA(Public Library Association)が調査している。調査期間は3月24日〜4月1日である。PLAは,日本でいえば日本図書館協会の公共図書館部会に近い。

調査では,2,500の図書館システム(設置機関)に調査を行い,約30%から回答を得ている。回答率は低いが,いろいろ参考になる。以下,結果の概要を紹介する(PDF)。

  • 98%の図書館が少なくとも建物の一部を閉鎖している(完全な閉館を含む)
  • 74%が電子書籍,ストリーミングメディアを提供している
  • 61%が催し物をヴァーチャル(つまりオンラインで)で実施している

最初の閉鎖に関しては,逆に1%が”open to the public”との回答であることを考えると,閉鎖がかなりの図書館に及んでいることが伺える。日本と大きく異なるのは,2つめの電子書籍等の提供が進んでいることだ。また,多くの図書館が実施していることとして,以下が挙げられている。

  • 76%がオンラインでの期間更新指針を改定
  • 74%がオンラインの貸出サービスを拡張
  • 41%がオンラインのヴァーチャルレファレンスを拡大

規則の変更は当然であろう。自由回答では以下の活動が多くの図書館で実施されている。

  • 21%がCOVID以外のオンラインリソースを提供している(自宅でできる活動,失業者向けリソースなど)
  • 21%がサービスへのアクセスを拡大している(電子的な利用券など)

他に,ソーシャルメディアの利用は非常に進んでおり,95%が図書館サービスの変更についてソーシャルメディアを活用している。4/22には調査結果をもとにウェビナーを実施する。こうした情報共有から,取り組みを進めていく点は見習いたい。