特措法と東京都の要請の整理 no.1

東京都内の公共図書館では,緊急事態宣言や自治体からの要請により閉館に至った。このことについて,制度的な整理をしておきたい。ここでは,まず,国の動きについて。

2020年4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項(以下参照)(以下特措法)に基づき新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態が発生した旨が政府対策本部長(内閣総理大臣)により宣言(告示)された。措置を実施すべき期間は4月7日から5月6日で,区域は,埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県,福岡県である。

第三十二条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。
一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき区域
三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要
* 条文中の( )内は除く

なお,図書館との関係では,文部科学省総合教育政策局地域学習推進課が「社会教育施設において行われるイベント・講座等の開催に関する考え方について(令和2年3月21日時点)」を発出していることを付言しておく。実際には2020年2月下旬ごろから図書館では閉館や事業縮小が見られるようになっていた。これを受けた東京都の対応について,次に述べる。