American Libraries誌に「再開館: 『いつ』ではなく『どのように』」という記事が掲載されている(Balzer, Cass. April 17, 2020)
図書館の開館に向けた取り組みという点では,日本の図書館とも共通すると思うので,以下,紹介したい。記事は,オレゴン州のアルバニー公共図書館(APL)を始め,複数の図書館関係者のコメントで構成されているので,ここでは,それらを要約した形で紹介する。
まず,再開館(reopening)は,図書館がコントロールできない不確実性に依存していることが,ニューメキシコ州立図書館(NMSL)の図書館員によって指摘されている。例えば,セキュリティーサービスは外部組織に依存しているため,それらの復旧が関わってくるという。こうした外的な不確実性のため,図書館の再開館に向けた計画は,つねにアップデートを余儀なくされているという。柔軟性が求められるわけである。
このことは,日本の私たちの現在の状況からも容易に理解できる。治療法,ワクチン,感染者の増減,メタレベルの政策,こうしたことが図書館の選択肢を左右している。
つぎに,記事では,再開する場合,その順序として,開館せずに実施できるサービスから始めることが指摘されている。例えば,NMSLでは,相互貸借,予約サービスが挙げられている。また,ピマ郡(アリゾナ州)の公共図書館(PCPL)では,カーブサイドサービスを提供するようである。
これらは利用者同士の接触を最小限にした形でのサービスから,ということだろう。利用者同士の感染を防ぐこととともに,図書館員への/からの感染を防ぐことも重要である。そうした配慮をした上でのサービスが,最初のステップになりそうである。
つぎのステップは次の記事で。