再開館に向けて(2)

前の記事の続きで,American Libraries誌に「再開館: 『いつ』ではなく『どのように』」という記事を紹介する。

今後,感染拡大の沈静化とともに,図書館が少しづつ開館していくことになるが,記事では,その場合でも各種の配慮が必要とされている。設備の再配置による社会的距離の確保,入館者数の制限,開館時間の短縮,コンピュータの利用制限や消毒,資料を介した感染を防ぐ手立てなどである。また,高齢者や免疫不全の利用者のための時間を設けることも検討されている。PCPLでは,職員と利用者の体温測定も検討している。

日本でも,レジに並ぶ際,一定の距離を保つことが急速に広まった。また,レジを打つ人との間にビニールを吊るすことや,釣り銭のやり取りをトレーを介して行うことも広がっている。どこまで,何をするかはローカルな状況,つまり国,地域,施設の性格によって違いが出てくるであろう。様々な配慮の可能性がある。

記事では,より積極的なサービスとして,求職者に対する履歴書作成など各種支援がAPLで予定しされているという。また,社会的距離を保つため,ノートパソコンを貸し出すことも検討している。記事では最後に,こうした図書館の変化をコミュニティの人々に理解してもらうことは困難であること,利用者には多くのサービスを提供したいがしばらくは一定の制限のもとになりそうであることが,紹介され結ばれている。

感染から利用者,職員を守るといった,いわば消極的な取り組みももちろん必要だが,積極的な創意工夫が図書館員には強く求められるのではないだろうか。