COVID-19とWebinar(2)

実際にどのような内容をのウェビナーが実施されているのだろうか。ここでは,PLAのものを見てみる。各回のウェビナーの「説明/学習目標」として書かれているものを見てみる。

1回目は2020年3月27日で「COVID-19に対する図書館の対応―現在の状況―」と題し,公共図書館が,新たな状況にどのように対処しているのかに関し,図書館長に相当する2名から話を聞くとともに,質問等を受け付けている。まずは緊急的な情報共有という側面が強い回である。

2回目は2020年4月3日で「COVID-19に対する図書館の対応―リモートワークを成功させる方法―」と題し,関連する部門のライブラリアンから,リモートワークに移行しつつあるライブラリアンが,どのように仕事に取り組むかの方法を聞くとともに,やはり質問等を受け付け情報共有の機会を設けている。図書館閉館が進む中で,変化するライブラリアンの働き方に対処したものであろう。

3回目は2020年4月10日で「COVID-19に対する図書館の対応―ストレスと不安への対処―」と題し,PLAの関連部門の職員から,セルフケアの方法を学ぶとともに,ストレスや不安を管理する方法を学ぶ回である。ここでも,質問等を受け付けるとともに,情報共有の機会を設けている。3回目は2回目と同様,変化するライブラリアンの働き方へ対処したものといえよう。

4回目は2020年4月17日で「COVID-19に対する図書館の対応―危機の時の革新的な解決策―」と題し,図書館が閉館する中でも革新的な方法で対処しているライブラリアンから,話を聞く回である。ここでも,質問等を受け付けるとともに,情報共有の機会を設けている。2回目,3回目より積極的な印象のある回である。

5回目は2020年4月23日で,「COVID-19に対する図書館の対応―全国調査の結果―」と題し,2,500以上の図書館に対して3月24日から4月1日までに実施された全国調査の結果と,次の調査に関わる情報を共有する回である。図書館協会が音頭を取ってすばやくにこうした活動をしているところがすごい。

6回目は2020年4月24日で,「COVID-19に対する図書館の対応―デジタル・エクイティを推進するための戦略―」と題し,図書館の役割を考える回である。これまで社会の中で,デバイス,インターネットアクセス,トレーニングで一定の役割を果たしてきた図書館に現在の状況下,何ができるかを考える回である。特にWiFiに焦点が当てられている印象である。

以上,各回のウェビナーの内容を見てきた。劇的に変化した新しい環境に素早く図書館協会が反応していることが分かる。次の回では,ウェビナーの実際を見てみたい。