COVID-19とWebnar(3)

実際のウェビナーの様子はどうなっているのだろうか。ここでは,4月16日の”Public Libraries Respond to COVID-19: Innovative Solutions in Times of Crisis“の回を見てみる。

スピーカーは以下の4名である。実施の形態は,ウェブ会議システムを使って,それぞれが自宅などから発言する方式である。やりとりは録画され,動画配信サービスVimeoを使って公開されている。また,視聴者のチャットのログは動画と一緒に公開されている。

  • Pam Sandlian(Smith, Director, Anythink Libraries, Adams County, CO)
  • Marcellus Turner(Executive Director and Chief Librarian, The Seattle (WA) Public Library)
  • Kelvin Watson(Director of Libraries, Broward County (FL) Libraries Division)
  • Mary Hirsh(PLA Deputy Director)

まず,PLAの継続教育のマネージャであるAngela Maycock氏がスピーカーを紹介し,そのあと,Mary Hirsh氏に引き継いでいる。

Hirsh氏は,まずPLAが実施した全米の公共図書館に対する調査結果を5分間ほど解説したあとで,最近の図書館の革新的試みを尋ねている。3Dプリンタ,オンラインストーリータイム,ラップトップの貸出,フードバンク,ヴァーチャルコンサートなどが挙げられている。次に,Hirsh氏は,そうしたアイデアをどこから得ているのかを尋ねているが,PLAやALAといった図書館関連団体,ソーシャルメディア,図書館管理職とのやりとりが挙げられている。他に,現在のような環境下,スタッフをどのようにサポートするのかについても議論されている。

こうした議論の最中,参加者はウェブ会議システムのチャット機能を使いコメントしている。コーディネータのHirsh氏は,その中から社会的公正にどう貢献するかという質問を取り上げ,スピーカーに尋ねている。

以上が,この回の内容で,全体で60分弱であった。全体にリラックスした雰囲気で運営されていることが印象的だった。聞き手も自宅から参加できるので手軽に参加できると思う。日本でも,この間,ウェブ会議システムが多くの職場で広がっている。少なくとも私の職場では頻繁に使用している。サポート体制さえ整えば,図書館の研修や,情報交換のツールとして広がっていくのではないだろうか。