行ったところ(4/23〜)

国立公共情報図書館(国立公共資訊図書館)

この図書館は国立の公共図書館であり,国民に直接サービスするとともに,公共図書館の支援も行っている。国立国会図書館と異なり開架制である。直接サービスについては,物理的サービスに加えて,デジタルサービスにも力を入れている。以下では,特徴的なサービスを中心に図書館を簡単に紹介する。図書館は台中市南区にあり,台中駅からタクシーで10分ほどの距離である。建物は地上5階,地下2階建てで,延床面積は4.1万㎡の巨大な図書館である。日本で最も大きい公共図書館である大阪市立図書館の1.2倍である。詳細は公式ウェブページに詳しい情報が掲載されている1。直接サービスとしては,巨大な公共図書館として,広く,深く,新しいサービスを展開している。中でも注目すべきは実験的サービスの数々である。1階にはAIスマート司書「曉書」さん(シャオシュウさん)が「いる」2。これは台湾の東海大学と共同開発したもので,ChatGPTの技術を活用している。音声でやり取りが可能であり,図書館の利用方法だけでなく,資料も案内してくれる。実際に図書館情報学関連の図書を推薦してもらったところ,いくつかの資料を提案してもらった。それらの資料はディスプレイに提示される。キャラクターの曉書さんの雰囲気はご覧のとおりである。日本で公開されたらいろいろ話題になりそうである。2018年には,iLib Guiderというスマホアプリを独自に開発した。このアプリは図書を探し,場所を案内し,利用者自ら貸出手続を行うことができる。RFIDの技術を活用したもので,BYOD(Bring Your Own Device)をコンセプトに設計された。電子書籍サービスにも力を入れている。国立公共情報図書館では,市民に対して電子書籍を提供しており,登録後,誰でも利用可能である。現在,約5万タイトル,49万点の電子書籍を提供している。ただし,台湾全体をカバーすることから,買い切り型の電子書籍は価格が高めに設定されているという。また,独自の電子書籍プラットフォームや読書アプリ(iLib Reader)を開発,提供している。利用者はiLib Readerを通じてアクセスする。さらに,直轄市や県にもプラットフォームを提供し,それぞれの利用券を用いて自治体の電子図書館にアクセスできるようにしている。「デジタルリソース・シングル・サイン・オン」(數位資源一證通)の仕組みも注目される。これは国立公共情報図書館が提供する各種デジタルサービスを単一認証で利用できるようにしたものである。これによって,図書館が提供する各種サービスを一度の認証で利用できる。他に,青少年コーナーにはメーカースペースやダンススタジオが設置されていた。それらの予約システムや施設管理システムも独自に構築している。ボードゲームやパズルも用意されており,スマホアプリを活用して入退館や設備のコントロールが可能である。全体として,国立の公共図書館として,通常のサービスに加えて,先進的,実験的なサービスを積極的に実施していること,開発した仕組みを自治体共同で利用可能としていること,デジタルサービスに力を入れることで台湾全体にサービスを拡張していること,などが注目される。また,ここでは,述べていないが,3館ある国立図書館は教育部のもと,公共図書館の制度や仕組み作りなど各種の支援を積極的に行っていることは,日本と大きく異なる点である。

文献に「曉書さん」のことが詳しく書いてあったので,いくつか補足しておく3。まず,このサービスの目的であるが,3つあり,ユーザーエクスペリエンスの向上(いつまでもOPACでなくてもよいでしょ),業務効率の向上(職員は高付加価値サービスへシフト),未来の図書館像の提示,とのこと。ChatGPTはどこに使われているかというと,STT(Speech to Text)の入力があったときに,まず,質問のコンテキストを認識し利用者の意図を確認する段階と,図書の問い合わせの場合はデータベースへ質問文を作成する段階で使われている。そして,データベースから回答が帰ってきた場合,質問と回答結果をそれぞれベクトル変換した上で,類似度を計算する等の処理が行われるが,こうして集まったデータをもとにChatGPTは最終的な回答を作成する。本当の会話のようには行かなかったが,レスポンスはそれほど悪くはなかった。

高雄市立図書館楠仔坑分館(楠梓區)

この図書館は,2015年の全国的な図書館評価の際,読書推進の部で選出された図書館である。環境配慮型の図書館として2008年に建設されている。入口のある南側は全面ガラス張りの壁になっているが,外に木立と日よけがあるため,室内は適度に明るい。2階は自習室のようだが,階段が見当たらなかったため閉鎖されていると思い見ていない。3階は楠梓小学校の活動センターである。高雄市のデータによると,蔵書数は13.6万点であり,昨年12月1か月あたりの貸出点数は5.2万点である。この数字を1年間に換算して蔵書密度を計算すると4.59となる。比較的高い。図書を見る限り,新しいものばかりではないが,市民のニーズを踏まえた選書が行われているようである。書棚にはハーレクインロマンスのような恋愛小説シリーズもあった。図書館には,平日の昼間に訪問した。入口を入ると,右側にカウンターがあり,その前に展示スペースが設けられていた。新しい図書も展示されており,3月10日から5月9日までは貸出しない旨,記載されていた。台湾では,こうした運用をしている図書館を見ることがある。これ以外も含めて,展示に工夫が見られた。館内は非常に静かで,空調の音が響いていた。滞在中の利用者は,勉強をしたり,昼寝をしたり,読書をしたり,といろいろだった。入口をそのまま進むと奥には児童コーナーがあり,靴を脱いで利用する形式になっている。書棚は6段で高さがあり,書架間隔は比較的広くとられていた。新聞コーナー,雑誌コーナーもあり,PCは12台設置されていた。全体の印象としては,日本の普通の分館と言っても違和感がないほどよく似ている。地域によく馴染んでいる図書館だと感じた。

三餘書店

高雄の独立系書店の一つである4。場所はMRTの文化中心駅近くで,雑居ビルに入っている。店の名前は『三国志 魏志』にちなんだものである。いつ読書をすればよいかと問われた董遇という人が,「冬,夜,雨」を挙げた故事に由来しているという。訪れたのは平日午後で,店内には7〜8名ほどのお客さんがいた。若い人が多く,おしゃれな雰囲気の書店である。店内は地下1階から2階までと思っていたが,あとで確認すると3階もあり,イベントスペースとして使われている。公式ウェブには多くのイベント情報が掲載されており,テーマもパレスチナや妖怪,織物のワークショップ,ジェンダーに関するトークなど,幅広い。特に出版を記念したイベントが多い印象を受けた。地下1階は展示スペースで,訪れた際は複数のアーティストの作品が展示されていた。このスペースは貸出しているようである。1階は本が中心で,雑貨なども並んでいた。絵本や日本の作家の著作もあり,宮崎駿や坂本龍一の本もあった。本は全体に,人文,サブカルチャー,芸術に関するものが多い印象である。2階は写真集やコミックなどで,写真集には『世界夢幻図書館』もあった! 閲覧スペースもあり,2人ほど読書をしていた。コーヒーなどの提供はなかったが,カウンターが設けられており,土日などは提供されるのかもしれない。セレクトされた本と雑貨,そしてインベントを組み合わせた空間であり,ただ本を売るだけでなく,人が集まり,交流する場を意識してつくられているように感じた。2018年にこの書店を訪れた人のブログで5,共同経営者の人にインタビューをしているが,その中で「実体書店の存在意義の一つは,いろいろなテーマで人が集まることのできる場になる,ということ」と述べていたが,まさにそうした場作りを意識しているように感じた。ブログには,高雄の独立系書店が仕入れを共同で行う仕組みを立ち上げた話なども紹介されていた。書店が,単に本を売るだけではなく,地域の文化的な実践の場として機能していることがよく伝わってきた。

TSUTAYA書店 高雄大立店

TSUTAYAは「臺灣蔦屋」という会社を設立し,台湾で12の書店を展開している(桃園にあるものを含む)。行ったのは,大理百貨店に入っている店舗である。大理百貨店は,もともと日系企業の百貨店だったようで(今はどうか分からない),TSUTAYAをはじめ,ニトリ,無印,ドンキ,コメダなど,日本人にはほっとできるである。1階にはWired Chayaが入っていて,2階にはLouisa Coffeeが入っている。Wired Chayaの前には,3冊まで本の持ち込み可と書かれていた。店内はTSUTAYA書店らしくシックな作りである。店舗の広さはTSUTAYA書店としてはそれほどでもない。Google Mapの口コミには「美しい書店」という評価が多く見られる。本だけではなく雑貨も販売されている。2階にはLAMYも入っている。日本の雑誌や,日本に関する本も多く取りそろえている。ある意味,日本文化の発信を行っているともいえる。

屏東県原住民族vusam図書館

日本にはおそらくない原住民向け図書館を訪れた。台湾ではアボリジニを「原住民」と呼ぶ。この図書館の名前についている「vusam」は,パイワン語で「種」を意味するという。この地域の原住民の民族は正確にはよく分からなかったが,地域的にパイワン族の可能性が高い。ちなみに前総統の蔡英文氏の祖母はパイヤン族とのことである。図書館を知ったのは,国立公共情報図書館が刊行する『読家時光』という雑誌の記事による6。vusam図書館は,屏東県長治郷にある。今回は,高雄から台湾鉄道で屏東へ行き,そこからバスで長治郷の繁華へ。そこからさらに30分ほど歩いたところにある。訪れた日は気温が30度だったが,それ以上に暑く感じた。図書館の周囲は新しい住宅が整然と並ぶ区画整理された地域であった。この地域は,2009年8月のMORAKOT台風で被害を受けた8つの原住民集落が移住するために作られた地域のようであった。当日は午前中に訪問したが,来館者はまだいなかった。図書館は2015年に開館している。設立主体は屏東原住民文化教育協会である7。建設には寄付と政府の補助金が使われた。図書館としての役割に加えて,生徒向けの補習教室も実施している。さきほどの記事によると,こうした補習教室は2003年から各部族で始まっており,この20年でこれら部族から,医師10名,修士号取得者49名,大学卒業生300名が誕生したという。図書館の蔵書はおよそ10,000冊で,日本の学校図書館と同程度である。入口には新着・推薦図書コーナーがあり,朝井リョウの『少女は卒業しない』の翻訳図書もあった。児童書も含めて様々な分野の図書が排架されていた。日本文学のコーナーを見ると,東川篤哉『謎解きはディナーのあとで』や二宮敦人『最後の秘境 東京藝大』など,比較的新しいものに加えて,山崎豊子『白い巨塔』などもあった。図書にはバーコードが貼られており,蔵書はコンピュータで管理されているようだった。言語は,見た限り中華語の図書しかなかった。イベントとしては,ビジネス企画書の作成方法やプレゼンテーション技術を学ぶ講座などが開催されている。また,文学キャンプとして,先住民族(つまり自分たちの部族)の歴史や文化への理解を深める取り組みが行われていた。原住民の出版物はそもそも存在しない(あっても圧倒的に少ない)ような状況で図書館を作ることには,複雑な意味がある。社会で支配的なリテラシーを高めることは,自分たちにとって,そして子どもたちにとっても,社会で生きていく上で不可欠である。一方で,図書館は主流文化の押しつけ機関ともなりうる。イベントの中で行われているように,自民族の歴史や文化を学ぶ場としても機能することが,このような施設にとって重要となるであろう。

長治郷立図書館繁華分館

vusam図書館を見学したあと,バス停のある繁華に向かって歩いていたところ,道沿いに図書館の看板があったので立ち寄った。先ほどの図書館から10分ほどである。図書館は高齢者関連施設の建物に入っており,規模としては学校図書館程度であった。館内には女性スタッフが一人いた。言葉の通じない外国人にも関わらず,フレンドリーに対応してくれた。日本文学の棚を見てみると,赤川次郎の作品がシリーズで並んでおり,上の棚には大江健三郎の図書もあった(少し古い?)。蔵書数は多くないが,屏東県の図書館の資料を取り寄せることができる。長治郷はウィキペディアによると人口3万人。図書館は分館を含めて2館のようである。原住民図書館に向かうバスから屏東県立図書館が見えたが,今回,立ち寄らなかった。あとで調べたところ,とても魅力的な図書館のようだった8。見てくればよかった…

貸本屋

高雄の前金駅近くを歩いていると,貸本屋があった。看板には「小説 出租」と書かれている。昼時で,3〜4名の中年または初老の男性が,店前のテーブルつきの椅子に座って,本を読んでいた。店番は高齢の女性である。店内には,本が所狭しと置かれていた。あまり,適切に管理されているような感じではない。利用料を尋ねたところ,本のタイプによって異なるようだった。貸出中の本の最後のページにはDue Dateなのか,鉛筆で日付が書かれていた。店に入ると,日本のコミックが目立つところに置かれていた。しかし,多くが埃をかぶっており,最近読まれた形跡はない。『ワンピース』も置かれていたが,新しいコミックが入荷している様子も見られなかった。コミック以外に台湾の読み物が多くあり,おじさんたちはそれらを読んでいた。本や店内には「未満18歳厳禁観覧」と書かれており,18歳以上が対象である。ただし,特にいかがわしい本が置かれているわけではなさそうである。店は酒屋ともつながっており,家族経営のお店のようだった。台湾の貸本屋については,少し前に国立台湾歴史博物館や明治大学の米沢嘉博記念図書館・現代マンガ図書館などが「台湾漫画史不思議旅行—貸本屋さんと漫画の100年—」を開催している9。村上公一氏の研究によれば,2000年頃には台湾に4,000軒から5,000軒の貸本屋があったという10。日本とはだいぶ様子が違う。しかし,今回の滞在中,貸本屋はほとんど見なかった。スマホが普及する中で,こうした業態もトランスフォーメーションが必要だろうか。著作権法との関係はよく分からない。貸与権は規定されているが(第29条),第60条で「適法の複製物を所有する者は、その原作品または複製物を貸与することができる」(消尽原則)ともあるので,無許諾での有料貸出もできるように読める11。(その後,この店の前を通るたびにお客さんの入りを見ているが,昼も,そして夕方遅くまで,いつも3〜4名のお客さんが外のテーブルで本を読んでいる。蚊がぶんぶん飛んでいるにもかかわらず)

河馬租書

台湾では貸本屋はほとんど姿を消してしまったようである。ここは数少ない存続しているところである。店舗は1階と2階である。入ってすぐにカウンターがある。訪れたのは平日昼間だったが,3名の利用者がいた。館内の本は,コミックと読み物が中心である。日本では大河ドラマで蔦屋重三郎が取り上げられているが,この店で扱っているのも,まさにそうした「読み物」である。利用方法によって料金が異なり,Googleマップによると閲覧は5元,貸出しは9元,冊数自由の閲覧は25元/1時間とのことだった。日本の漫画喫茶とは違い,コーヒーなどは飲めない。日本のツタヤなどのレンタルコミックには貸与権処理済みを示すシールが本に貼られているが,ここの本にはそうしたものは見られなかった。また,台湾の図書館では図書に保護カバーなどはつけられていないことが多いが,ここの本には保護カバーがつけられていた。コミックは日本の作品が多く,読み物には日本のものも台湾のものもあった。日本のBL作品もあり少々驚いた。ちょうど日本経団連がコンテンツ産業の海外展開を強化するという記事を新聞で読んだばかりだったが12,日本のコンテンツ産業は「幅広く」展開していることを改めて理解した。(その後,蔡倩伶「中国語圏における BL 小説出版市場をめぐって—大陸・台湾・香港—」(明治大学)という修論のあることを知った。それによると,日本のBLのマーケットシェアは台湾では近年,急激に減少しているそうである)13

高雄市立図書館草衙分館(前鎮區)14

土曜日の午後に行った。高雄市では土曜日でも21時まで開館している。分館だが,かなり広い。掲示で静かにするよう呼びかけられているためか,館内は比較的静かである。台湾の図書館は全体に静かである。「非常に混んでいる」という感じではなく,適度に利用者が来館している,といった様子であった。統計を見ると,11.5万点の蔵書に対して,2024年12月の1ヶ月間の貸出点数は2.6万点である。来館者数は4.3万人で来館者数の方が多い。蔵書回転率は年間に換算すると2.7である。図書館はちょっとした小山を上って2階から入る。入ると正面にカウンターがある。2階にはPCコーナー,雑誌,児童コーナー,特集展示などがある。特集コーナーでは「高雄市母語普及促進及び友好言語プロジェクト」と題して台湾語の図書展示が行われていた。絵本が中心である。「一緒に本を読んだり,歌ったり,話しましょう」と書かれていた。ほかにも「世界閲読日」を記念した展示として,ボードゲームが取り上げられていた。ボードゲームには『高雄大空襲』という歴史に基づくものもあった。児童コーナーでは,子どもが静かに本を読んでいた。雑誌のタイトル数は,分館としてはかなり多い印象である。館内には身長,体重,血圧を測れる機器が設置されており,自由に測定できる。見ていると,子どもや若者が利用していた。図書館は高雄市立小港病院とパートナー協定を結んでおり,これらの機器の設置に加え,健康講座や多世代でのボードゲームなどにも一緒に取り組んでいるようである。2階には「楽齢室」もある。この図書館では,高齢者サービスに力を入れている。部屋に置かれた推薦図書の中には,島田洋七『超老超快楽』もあった。一緒に,高齢者向けの電子書籍も案内されており,大きな掲示板に表紙とともに図書の一覧が載っていた。よく言われるように,電子書籍は物理的に「見えない」。図書館としてさまざまな工夫をしている。展示スペースを兼ねている階段を降りると,一般書が開架されている。台湾コレクションのコーナーもある。また,ボードゲームとその利用スペースの貸出を告知するポスターが貼られていた。火曜日から土曜日の14時半から17時の間,最大1時間利用できる。多文化サービスのコーナーのサインは「東南亜文化専区」である。タイ,インドネシア,シンガポール,マレーシア,ミャンマー,ベトナム,フィリピン,ラオス,カンボジアの資料が所蔵されていた。実際の利用者を想定し,「東南アジア」としてしまうのはよいアイデアだと思った。「星雲大師」という僧侶の全集コーナーもあった。少し調べてみると,高雄と縁の深い高名な人物であった。3階は文学書を中心とした書棚と閲覧席がある。『電車男』をはじめ,日本の文学書も多く所蔵されていた。ちなみに,高雄市では,図書の予約は資料単位(個別資料)で20件まで可能であり,書誌単位(体現形)ではない。韓国,台湾ともそうしたところが多い印象である。延滞に対しては,1日あたり2NT$(100円弱)の延滞金が課され,最大120NT$までである。訪問時,ボランティアは見かけなかったが,台湾の図書館では,ベストを着たボランティアをよく見かける。この図書館でも,排架,お話会,草木の手入れの各分野でボランティアを募集していた。地域の図書館としては閲覧席も多く,空間にゆとりがあり,落ち着いた雰囲気の図書館であった。

高雄市立図書館鳳山二館(鳳山區)15

土曜日の夕方に行った。草衙分館同様,21時まで開館している。草衙分館のすぐ近くで,前鎮運河を挟んだところにある。こちらはより小さな図書館である。統計を見ると,7.8万点の蔵書に対して,2024年12月の1ヶ月間の貸出点数は5.2万点である。来館者数は3.6万人で貸出点数の方が多い。蔵書回転率は年間に換算すると8と非常に高い。入口を入ってすぐのところに,料理の特集コーナーがある。1階は児童書と新聞・雑誌のコーナーが中心である。児童書のコーナーは全体が舞台のように少し高くなっている。お話会などの催しにも使用されていると思われる。館内の案内によれば,お話会は土曜日の14時半から15時半までとなっている。次の日曜日にも英語によるストーリーテリングが行われるようであった。児童書のコーナーにはコミックが置かれており,なんと横山光輝『三国志』が! 台湾語の図書の特集もされていた。これは高雄の図書館で共通している。フロア中央の柱の周囲には4台のPCが設置されていた。また,小さいながら楽齢専区が設けられている。これも,多くの台湾の図書館と共通している。2階には多文化資料,台湾学の資料,英語の資料,青少年専区,コミックなどがコーナーとしてあった。この図書館の「特色館蔵」は「生命科学」で,その特集展示もされていた。さらに,ここの地域(鳳山地区)に関する図書や写真を展示しているコーナーもあった。3階は閲覧室である。「室内では静かにするように。話す場合は外へ」や「学須静非静無以成学」(静かにするように!)など,静かにすることを促す掲示がいくつかあった。ちなみに「ビンロウ禁止」(×口嚼口香糖檳榔)もあった。高雄市では図書貸出キャンペーンを実施している。貸出回数に応じて抽選で景品が当たる。キャンペーン期間は3か月間で,1回5冊の貸出で1ポイントとなる。12ポイントから60ポイントまでが景品引換の対象である。12ポイントではトイレットペーパーなどの日用品が,60ポイントでは野球観戦チケットなどがあたる。この図書館では,さまざまなテーマに応じた小さなコーナーが設けられていた。全体に,台湾の図書館では大小にかかわらず,楽齢専区のように似たようなコーナーを設置している印象である。

台中市立図書館 総館

台中市の北屯区四張犂公園にある図書館である。この施設は,もともと「北屯四張犁分館」として建てられたもので,現在は台中市立図書館の総館の役割を担っている。台中市の人口は約285万人で,図書館の分館数は45館である。移動図書館も7台運行している。7台も必要なのは市域が2,215 km²と直轄市では2番目に大きいためである。台中市の図書館は2016年に統合された。それまでは,2010年の台中県と台中市合併以前の体制が残っていたため,単一の図書館システムとはなっていなかった。現在,貸出密度は2.98,電子書籍の貸出密度は1.01である。総館は地下1階から4階まであり,地下1階には多目的活動室がある。建物は1階から中央部分が吹き抜けになっており,2階から4階へは「知恵の木」をモチーフにしたらせん状の階段がある。階段は他にもあり,きれいなウォールアートが描かれていた。1階にはカウンター,児童コーナー,高齢者向けの「楽齢区」,雑誌・新聞のコーナーが設けられている。台湾の図書館では,高齢者用スペースをよく見かける。台湾では,2019年,『台湾における高齢者向け図書情報サービスガイドライン』が国家図書館により策定され,近年,積極的に高齢者サービスを推進しているようである。この日は学級訪問があり,児童コーナーは子どもたちであふれていた。カウンター前には「台中学」の資料が並んでいる。他の分館でも台中学のコーナーが置かれていた。2階は一般書と展示コーナーで,訪問時は2024年ボローニャイラスト展で入賞した鄭元欽氏の作品がコメント付きで展示されていた。ほかに「旅」や「野球(棒球)」の特集も行われていた。野球関連は常設のようだった。台湾では国立公共資訊図書館が主導して,毎年「読書ホームラン」というキャンペーンが行われており,期間中に本を借りると野球のチケットがもらえたりするようである。これは,2016年に開始されたプログラムで,2013年にMLBのアトランタ・ブレーブスとジョージア州公共図書館が始めたサマープログラムが参考にされた16。3階には青少年閲覧室,PC,グループルームなどがある。青少年閲覧室にはコミック(漫書)が多数並んでいた。図書は全体に新しい。2024年の一人あたり書籍購入費を確認すると54.47NT$で,台湾全体の平均(35.96NT$)を大きく上回っている。多文化サービスも実施されている。台湾全体で外国人労働者などの「新住民」が増加傾向にあり,多くの図書館で資料整備やプログラムが実施されていたが,台中市でも新住民の文化を紹介する取組みが行われていた。3月にはインドネシアをテーマに,インドネシア語に親しんだりバティック(無形文化遺産)を使った創作をしたりする活動が行われていた。こうした取組は「読書は私たちを近づける 多元的読書推進事業「新移民文化体験講座」」として定期的に実施されている。相互理解のために重要な取組である。4階は本館機能を担う諸室がある。ただし,台中市の中心館としては比較的小規模である。実は台中市では,まもなく新たな図書館(Taichung Green Museumbrary)が開館する予定である17。話を伺った翌日には本館機能は移転するとのことだった。新館の設計は,妹島和世氏と西沢立衛氏によるものとのこと。妹島氏といえば,なかまちテラス(小平市立仲町図書館)を思い出す。図書館の機能性と建築家の創造性がどう調和されているか。完成した際にはぜひ訪れてみたい。

台南市立図書館 総館

台湾には6つの直轄市があるが,これまで台南市には行っていなかった。今回,台南市立図書館の総館を訪れた。行ったのは日曜日の午後である。総館は比較的最近建てられたばかりで,カレントアウェアネスでも紹介されている18。台南市は2010年に台南県と台南市が合併し,図書館も統合された19。現在,45館の図書館と2台の移動図書館で運営されている。所管は台南市の文化局である。ただし,図書館の人事,財政,そしてサービスなどの統合の度合いは直轄市の中でも温度差があり,詳しい状況は分からない。直轄市間で図書館の指標を比較すると,台南市の特徴としては,「専業人員」が少ない。台北市が307人であるのに対して,台南市はわずか23人である20。図書の貸出密度は6.2点である。台南市立図書館総館は2020年に開館した。地下2階,地上6階の建物である。

元砲兵学校の跡地にあり,砲兵学校移転にともない,クリエイティブシティ構想が策定され,その一環として建設された。図書館の入口側には広い空き地があると思ったら,軍事施設のようだった。逆側には高層マンションが多数立ち並んでいる。図書館へのアクセスは台南駅からバスか,鉄道の大橋火車站から徒歩だが,それほど便利ではない。

訪問した日は図書館前でイベントが開催されており,多くの出店やバイオリンの演奏などで賑わっていた。建物は3階までが吹き抜けで,また,書棚も低いものが多いため,開放的な印象である。吹き抜けのため,ざわざわ感はあるが,うるさくはなかった。吹き抜けには紙のパブリックアートが吊られている。空間を贅沢に使っているのも特徴的である。館内がごちゃごちゃしている印象がまったくない。他にも芸術作品やオブジェが多数点在しており,文化的な雰囲気を醸し出している。サインは非常に少なく,「静かに」といった注意書きも見当たらなかった。建物については,こちらの方のブログが詳しい21

1階にはカウンター,楽齢区,展示コーナー,雑誌や新聞のスペースがある。「名人帶路」という展示もあった22。この企画は,地元著名人が書店を訪れ,そこから図書をチョイスし推薦するというものである。人物,書店,図書を一緒に紹介するなかなかよい取り組みである。あと,館内全体にいえることだが,インタラクティブなデジタル機器がいくつか設置されており,特に児童生徒などが楽しんでいた。そうしたものとして1階にはクロマキー合成を体験できる装置があった。この日はイベントの影響もあってか,1階は多くの利用者でざわざわしていた。カウンターの後ろには24時間貸出返却対応用の巨大な機械がガラス越しに見えた。

地下1階は児童コーナーで混雑していた。お話会の部屋は「故事窩」と呼ばれている。ガラス張りで,この日はボランティアによるお話会が開かれていた。この図書館ではないが,台南市の分館では台湾語によるお話会を開催している23。「漫読広場」という場所もある。自然光を取り入れ,遊具も設置された空間である。「城市灶咖」という部屋は台南の食文化を紹介するための料理講座などが行われる。2階に行くとビデオブースがあり,8割ほど利用されていた。複数人で映画を視聴する利用者も多かった。「デジタルラーニングコーナー」にはPCがあり,若者がよく利用していた。青少年コーナーもあり,コミックも多く所蔵していた。

3階は一般書のエリアで,書架は低く,やはり開放感がある。窓際には一人用ソファーが間隔を空けて並び,ほぼうまっていた。この階には「台南分区資源中心」というコーナーがある。これは,教育部(日本の文部科学省)主導の全国的な図書館協力の一環として行われている取組である。台湾を4地域に分け,4サービス拠点と8地域リソースセンターを指定し,資料の収集を分担し,相互貸借により全国に貸出すものである。台南市は,多文化の資料収集などを担っている。収集資料はPRLSSP(公共図書館図書資源共有サービスプラットフォーム)という仕組みを使って市民が検索でき,無料で利用可能である24。日本の大学図書館における「外国雑誌センター館」にも似た仕組みのように感じた。

4階は吹き抜けもなくなり静かである。フロアの中央には「台南名人堂」という展示がある25。台南ゆかりの著名人約200名を紹介している。一部人物には専用ブースが設けられ,他はパノラマ展示形式で紹介されている。パノラマ展示では,人物がイラストで描かれており,ボタンを押すとディスプレイで略歴等が見られる。台湾の戦前の知識人には日本の大学留学経験者も多い。見ていくと早稲田大学は何名かいたが慶應義塾大学はいなかった。残念! この階には台南関連資料や台文資料,原住民の資料もあった。原住民資料は部族ごとに分けられており多くはアルファベットで表記された学校教科書であった。この階にはカフェを併設した独立系書店「Ubuntu 烏邦圖書店」もあった(書店を紹介したブログ26)。ここでは雑貨の販売も行っている。3Dプリンターやミシンを備えたメイカースペース「創客空間」もあったが閉まっていた。利用には事前講座の受講が必要で,1時間あたり100NT$(児童生徒は無料)である。5階は存在せず,6階にはホールや会議室があるが,催しは行われていなかった。

文化(ハイカルチャー)を感じられること,地域の書店を支援していること,様々なデジタル機器を経験できること,市民にとって居心地のよい空間を提供していること,地元の著名人を身近に感じることのできることなど,学ぶべきことも多いと感じた。

桃園市,新北市,高雄市とともに,台南市の図書館も巨大であった。まもなく開館する台中市も大きなもののようである。台湾の直轄市は財政規模が大きく,また,財政的に豊かであると言われている27。こうした大規模図書館が建設されるのもそうした背景があると考えられる。直轄市全体の図書館システムの仕組みについては文化局・教育局と総館との役割分担を含めて不明な点ところも多く,もう少し詳しく知りたいと感じた。

南投県埔里鎮立図書館

南投県は台湾のちょうど真ん中に位置する台湾唯一の内陸県である。「台湾のへそ」とも呼ばれる。県全体の人口は50万人弱で,市,鎮,郷が13ある。埔里(プーリー)鎮は,そのうちのひとつであり,人口は8万人ほどである。「鎮」等は日本の基礎自治体に相当する。埔里鎮の面積は162平方キロメートルで,八王子市よりやや小さい。台中からバスを使って1時間強で到着する。途中,高速に乗って,山を抜けて。マコモダケや紹興酒が特産品である。紹興酒は地元では砂糖だけでなく,刻んだショウガや酸味の少ない梅干しを加えることが多いという。今度試してみたい。これまでは台湾の直轄市にある図書館を中心に見学してきたが,今回は基礎自治体の鎮の図書館を訪れた。埔里鎮の図書館は1館であり,移動図書館も1台運行されている28。図書館は1970年に設立されたが,1999年の集集地震の震源に近かったため,建物に大きな被害を受け,2004年に再建された。訪問したのは平日の午前中だった。建物は5階建てである。入口を入ると左手にカウンターがあり,右手には雑誌コーナーと高齢者向けのスペースが設けられていた。このフロアでは,芸術家,音楽家,文学者らとの共同企画による展示が行われている。訪問時には埔里出身の芸術家・王顯正の展示が開催されていた。横には日本統治時代に埔里鎮にあったという能高神社の手洗鉢が置かれていた。2階は児童コーナーである。平日であったため利用者は少なかったが,放課後や土日は多くの子どもでにぎわうとのことである。3階は一般書のコーナーである。書棚横には「迷路書車」と書かれたブックトラックが置かれていた。閲覧後に返却場所が分からなくなった際,置くためのものである。このフロアの閲覧席はよく利用されていた。エレベーターホールには出土した石器などが展示されていた。4階は郷土資料室である。入口左手にはかつて存在した日本の商店,日興商店の店舗が再現されており,奥には呉永福氏や陳春林氏といった郷土出身の作家・芸術家,また医師の李昌氏や名士の李白陸氏に関する資料が展示されていた。原住民文化の紹介も行っていた。5階は青少年コーナーであり,多機能ルームやグループ学習コーナーなどがあった。この施設は,基本的機能は図書館だが,郷土出身者の顕彰,原住民文化の紹介,石器の展示など文学館や博物館のような機能も担っている。図書館の蔵書数は約17万冊で,新規購入は約3,500冊(2022年度)とのことだった。

埔里鎮の図書館では,職員体制の話しを聞くことができたので,以下,少し詳しく書きたい。埔里鎮の図書館には15名の職員がいる。専門職員は配置されておらず,正規職員が5名勤務している。となりの施設(アートセンター(埔里芸文中心))の業務を兼務している職員もいる。正規職員は,全国的な公務員試験を通過して採用されている。鎮内の異動に関しては固定の年限はなく,経験年数の長い職員もいる(一番長い職員は27年の職員が2人)。ちなみに,公務員は3年間勤務すると,他自治体への異動希望を出すことができる。別の図書館だが,図書館の専門職員の中にそうした異動をした職員に会うこともあった。専門職員に関しては,制度として確かに試験の枠は存在するものの,地方の図書館に配置されることは少ないという。15名のうち残りの10名は契約職員(約用人員)である。契約職員には32年間勤務し,目録業務など専門的な仕事を担っている者もいる。契約職員の採用は埔里鎮が行っており,採用時に専門的な教育の有無は問うていない。他に,ボランティアスタッフが31名活動している。人材育成面では,職員は南投県や埔里鎮が実施する研修に参加している。特に初任者は必ず南投県文化局図書館が実施する研修に参加しているという。

台中市立図書館 清武図書館

台中駅からそれほど遠くない台中公園の一角にある。建物は1972年に建設されたもので,外観からは少し古さを感じるが,2018年にリニューアルされ,内部は現代風に生まれ変わっている。台中省立図書館として設立され,その後,国立台中図書館,国立公共情報図書館景武分館を経て,現在は台中市立の図書館となっている。建物には他に税務署のような行政機関と社会イノベーション関連の施設も入っている。訪れたのは平日の16時ごろ。図書館は1階から4階までである。1階はカウンターのほか,新聞・雑誌コーナー,児童コーナー,高齢者向けの「楽齢区」,そして新着図書の棚がある。展示コーナーでは「台中公園タイムウォーク」と題された展示がされていた。見ていると,かつて台中公園には児玉源太郎の銅像があったとのこと。少し調べてみると,児玉は台湾総督を務めながら日露戦争では満州軍参謀長も務めていたという。今その場所には孫文の銅像がある。2階は青少年向けの資料が中心である。漫画コーナーもある。文学資料やPCコーナーもある。3階は多文化コーナーや地域資料,そして「台中学(Taichung Studies)」コーナーがあった。多文化コーナーにはベトナム語やタイ語など,アジア圏の多言語図書が揃っている。閲覧席ではそうした背景を持つとみられる利用者が何名かいた。こうしたコーナーがあることの効果かもしれない。また3階では「記憶に残る旧台中市街」というテーマで写真展も開催されていた。作品はコミュニティ大学の学生によるもので,力作ぞろいだった。閲覧席は1階から3階までおおよそ7割が埋まっており,平日にも関わらずよく利用されている。4階は「台中作家図書エリア」で,台中と関連する作家の紹介が行われていた。訪問時は特に陳千武氏が特に取り上げられており,寄贈されたと思われる蔵書を見ていると『ぼくはネンディ』という児童図書もあった。内田莉莎子訳, 山脇百合子絵のこの本は「新しい世界の童話シリーズ」の1巻。そしてそのシリーズの監修者は渡辺茂男先生! 全体に,図書館の館内は壁が取り払われ,白を基調とした低めの書棚で統一されており空間に開放感があった。

  1. https://www.nlpi.edu.tw/AboutUs/Introduction/history01.htm ↩︎
  2. https://current.ndl.go.jp/car/208676 ↩︎
  3. 謝翰誼他. (2024). 智慧圖書館:基於GPT-4的智慧館員. 公共圖書館研究第19期, 1-29. https://www.nlpi.edu.tw/JournalDetailC003313.aspx?Cond=e7371e7f-6a46-4067-9c51-21899c755088 ↩︎
  4. https://www.takaobooks.tw/ ↩︎
  5. https://taitaibooks.blog.jp/archives/9067859.html ↩︎
  6. 屏東県原住民vusam図書館. (2025). 読家時光, (178), p.40-43. ↩︎
  7. https://vuvu.org.tw/ ↩︎
  8. https://note.com/tabisurumouchou/n/n93351b248241 ↩︎
  9. https://www.meiji.ac.jp/manga/yonezawa_lib/exh-taiwan.html ↩︎
  10. 村上公一. (2002). 台湾貸本文化考 (1). 学術研究. 外国語・外国文学編/早稲田大学教育学部 編, (51), 1-9. https://kimikazu.w.waseda.jp/wp-content/uploads/2023/11/k200302.pdf ↩︎
  11. https://www.cric.or.jp/db/world/taiwan/taiwan_c1.html#1 ↩︎
  12. https://www.asahi.com/articles/DA3S16204617.html ↩︎
  13. https://www.meiji.ac.jp/ggjs/6t5h7p00000hz2fk-att/a1709082632593.pdf ↩︎
  14. https://www.ksml.edu.tw/lib/content/index.aspx?Parser=1%2C48%2C488%2C482&fbclid=IwY2xjawKDoEJleHRuA2FlbQIxMABicmlkETFHRDNJc1JwRXo3Q0p6a1JGAR4BICBqKyx5WPD5MRCHsiJ4F8bQtz_k5ONE1gj0E4D4qabocz4RMEK4zEh6Aw_aem_S_2v5q95WO6YRKCv_Jxmkw ↩︎
  15. https://www.ksml.edu.tw/lib/content/index.aspx?Parser=1,63,653,647 ↩︎
  16. 洪敦明. (2017). 公私部門跨界合作模式-以閱讀全壘打活動為例. 公共圖書館研究 第6期, 1-12. ↩︎
  17. https://www.library.taichung.gov.tw/public/content/index-1.asp?Parser=1,20,600,45 ↩︎
  18. https://current.ndl.go.jp/car/42898 ↩︎
  19. https://www.tnpl.tn.edu.tw/u5612369397215291241/a1 ↩︎
  20. https://publibstat.nlpi.edu.tw/Frontend/Home/Index#tw ↩︎
  21. https://note.com/hiroyuki_shima/n/ne3eae031e333x ↩︎
  22. https://www.tnpl.tn.edu.tw/n14827120879706883347/n1Content ↩︎
  23. https://www.tnpl.tn.edu.tw/n15687736145253054907/n1Content ↩︎
  24. https://rrcils.ncl.edu.tw/nclrrcc/RRCrq ↩︎
  25. https://www.tnpl.tn.edu.tw/n15296010792364913835/n1Content ↩︎
  26. https://aruaru-tw.com/ubuntu/ ↩︎
  27. 陳建仁, & 北村亘. (2024). 日本との比較で学ぶ台湾入門 (5) 2 つの国の地方自治体. 交流: 台湾情報誌, (1002), 14-23. ↩︎
  28. https://www.nthcc.gov.tw/A7_6/content/219 ↩︎