行ったところ(5/21〜)

ワルシャワ大学図書館

ワルシャワ大学図書館に行った。エストニアから来ていた図書館関係者向けのツアーがあり,それに混ぜてもらった。ワルシャワ大学にはいくつも図書館があるが,行ったのはヴィスワ川近くにあるメインライブラリーである。通りから歩いて行くとピンク色の建造物がある。これは以前の図書館で使われていた建物の鉄骨部分で,過去との接続を意識して置かれている。そこをとおると,アーケードがあり,Costa Coffeeなどがある。本当の図書館の入口上部には「Hinc Omnia」とラテン語で刻まれた巨大なブロンズ製の図書のオブジェがある。「すべてここにある」という意味のようである。入口を入ると階段があり,その上に4本の円柱がある。最初は気づかず説明してもらって気づいたのだが円柱の上に4人の彫像が立っていて入口を見下ろしている。4人はポーランドのルヴフ=ワルシャワ学派の哲学者たちで「ちゃんと勉強しているか?」という雰囲気である。階段を上がると,一番良い場所(?)にかつて使われていた目録カードが並ぶ「目録ホール」がある。目録はすでに電算化されていて実際には使われていないが,シンボリックな意味で置かれている。ちなみに分類はLC分類である。目録ホールの柱は木をイメージしたデザインである。図書館全体の蔵書は約300万点とのことなので,かなり大きな図書館である。これだけの規模で多くを開架している図書館は,公共図書館を含めてもポーランドでは珍しいらしいとのことだった。ちなみに戦前の資料の60%はワルシャワ蜂起の際などに失われ,その中でも写本は90%が失われたという。図書の背には色つきのラベルが貼られており,閲覧用か貸出用かがすぐにわかる。目録ホールの先に小さな階段があり,そこに木製の椅子がある。これは,かつて教皇ヨハネ・パウロ2世が来館してスピーチを行った際に使ったものだそうである。閲覧席は全体で1,000席あり,試験期間中には満席になるという。1日平均の来館者は2,000人である。閲覧室は複数あり,市民向けの閲覧室もある。建物全体が自然光を多く取り入れる設計になっており,中央には円形の天窓がある。一般の閲覧室にも外からの光が入ってくるが,実はあまり光が入らない閲覧室の方が人気があるとのことだった。貴重書を閲覧する部屋は木製の机になっており,資料を傷めないようになっている。利用には手続きが必要で,監視カメラも複数台設置され,厳重警戒である。興味深かったのは,子連れでも作業できるスペースである。子どもが遊べるおもちゃなどもあった。なにより一番驚いたのが,茶室「懐庵」である。貴重書閲覧室や研究個室などを見ている中で,突然茶室が現れるので,かなり唐突感がある。日本の企業(共英製鋼株式会社)による寄付で設置されたものらしい。ワルシャワ大学には日本学科があり,その関係で寄付があり,ここに茶室が作られたとのことだった。建築資材も日本から持ち込まれたとのことだった。日本学科と連携してイベントなども行われているようである。エストニアの図書館の人から「本当の茶室に近いの?」と聞かれたが,本当の茶室をよく知らないので答えに困った。図書館から一度出てアーケードをピンクの建造物と逆の方に行くと,公園がある。歩いて行くと屋上庭園に続く階段がある。6月は緑がきれいである。階段を上ると,ヴィスワ川が見渡せる気持ちの良い屋上庭園がある。ワンちゃんは入れないので,「落とし物」もないので安心してくださいとのことだった。知をいかに表現するかが考え抜かれていること,その歴史的接続を意識していること,一方で,見事なグリーンライブラリになっていることなど,いろいろ勉強になった(こちらの訪問記も1。ご参考まで)。

Ochota区図書館「おとぎばなし」(W48)

ワルシャワ市Ochota地区にある図書館に行った。Ochotaはワルシャワ市のほぼ中央で,人口約8万人である。ここに9館の図書館がある。その中の一つで,ここは一般向け図書館である。行ったのは金曜日の夕方である。集合住宅の1階にあり,入口を入ってすぐのところにPCがあり,ちょうど2人連れがパソコンの前で長く話し込んでいた。図書館の面積は小さい。1階と2階があるが,2階は半2階のような構造である。2つのフロア合わせて200㎡ほどだろうか。入口すぐに新刊書の棚があり,文学書(821.3)が半分を占めていた。その8割はポーランド文学で,残りはほぼ英米文学であった。残り半分は一般書で,児童書は扱っていない。全体的に,蔵書構成をある程度反映している印象を受けた。この棚を見ていると,他の利用者もこの棚を見て図書を選んでいた。1階は文学書中心で,奥にはオーディオブック,DVDなどが並んでいた。ソファーもある。2階に一般書が置かれていた。この図書館に限らず,ポーランドの図書館では使っていない場所の照明が消されている。ここもそうで,夕方なのに照明が消されているので暗い。人感センサーで反応するようになっていた。カウンターには職員が1人である。利用者は次から次というほどでもないが,それほど途切れることなくやってきて,職員としばらく話をして帰っていった。何を話しているか分からないが,感じからすると実務的なことというより,雑談的なことのようであった。職員は利用者がいない時に図書の排架をしていた。

この図書館と大通りを隔てた向かいに文化センターがある。前をとおると,中から歌声が聞こえてくる。公式ウェブページで調べてみると,様々な活動をしていることが分かった。本館以外に,ワークショップや文化イベントを行う地域活動拠点,音楽スタジオ,ギャラリー,陶芸スタジオ,アートスタジオ,多目的ホールなどが別々の施設としてある。本館では,演劇ワークショップ,アイリッシュダンス,バイオリン演奏などを学ぶコースがあった。また,多目的ホールでは,テコンドーやズンバ,バレエ教室,ヴォーカル教室なども開かれている。6月には屋外イベントが開かれていた。これらの活動は,教育,文化,教養,健康といった要素を含んでいるものであり,まさに日本の公民館の活動とも重なる。

プルシュクフ郡プルシュコフスカ図書館

ポーランドには16の県がある。その中で,首都ワルシャワが属するのはマゾフシェ県(Masovian Voivodeship)である。以前,取り上げたラシンもこの県に含まれる。マゾフシェ県には5つの市と37の郡(powiat)があり,ラシンはそのうちのプルシュクフ郡(Powiat Pruszkowski)に属している。ポーランドの地方自治体は県・郡・グミナ(基礎自治体)の3層構造で,日本より1層多い。プルシュクフ郡には7つの図書館と16分館がある。ちなみにプルシュクフ郡の人口は16.5万人である。プルシュクフ郡の図書館行政を担っているのは,都市型(urban)グミナの一つであるプルシュクフ市(Pruszków)の図書館である。この市の図書館は,本館1館と分館9館から成り,本館の名称は,ヘンリク・シエンキェヴィチ記念プルシュコフスカ図書館(Książnica Pruszkowska im. Henryka Sienkiewicza)である。プルシュクフ市の人口は約6万人で,ラシンと比べると面積は半分以下であるが,人口は約3倍である。公式ウェブサイトによると,プルシュクフ市全体の蔵書は約17.4万点,年間貸出点数は約20万点である。なので,貸出密度は3を少し超える2。この図書館は2002年にプルシュクフ郡と協定を結び,郡立図書館の役割も担うようになった3。日本では県立図書館といえば県が設置するが,ここでは基礎自治体の図書館が協定によって郡の図書館の役割を担っている。仮に郡が独自の図書館を設けた場合,「三重行政」となるので,こうした方式は確かに妥当かもしれない。プルシュコフスカ図書館では,このための担当者を雇用している4。担当者の主な職務内容は,郡内の図書館職員の研修,研修に関する情報提供,図書館の活動と利用者ニーズの調査・分析,蔵書点検への参加,システム化の支援,他機関やマゾフシェ県中央図書館との連携,図書館への訪問調査,相互貸借の調整などである。全体に日本の県立図書館の協力支援と類似しているが,より面倒見がよい感じである。プルシュコフスカ図書館の管理関係は複雑である。市の図書館としての部分は市長が監督するが,郡立図書館の部分は郡の首長が責任を持つ。そして,図書館の専門的な監督はワルシャワ県立図書館が行うとされている。

さて,図書館であるが,ワルシャワ通勤鉄道(WKD)のPruszkow駅から歩いてすぐのところにある。周囲には,市庁舎や裁判所,郵便局などがあり,図書館は集合住宅の1階部分に入っている。図書館の開架スペースはおよそ700〜800㎡であろうか。入口を入るとすぐにカウンターがあり,通路にはカラフルな絨毯が敷かれている。書棚は側面が青く,全体に明るい雰囲気である。細長い図書館で,右側はコの字型に書架が作られている。ここには主に文学書と歴史書が並んでいた。文学書は言語別に分類されており,2025年刊行の新しい図書も見られた。窓側には島のように書棚が配置され,その間に閲覧用の机やソファが並べられていた。閲覧席は比較的多く設置されていたが,訪問時には男性がひとり作業していた。ポーランドの図書館では,利用者がのんびりと新聞や雑誌を読んでいたり,学生が自習していたりする姿を見ることは少ない。蔵書に関しては,ワルシャワの小さな図書館と比較して,文学書以外の蔵書が多い印象である。メインライブラリーであることと関係しているように感じた。児童書は所蔵しておらず,50メートルほど離れた場所に児童向けの分館がある。図書館では多彩なプログラムを実施している。最近のものを挙げると,スマホやコンピュータの相談会,3枚の写真をもとに短文を作成するライティングワークショップ,図書館脱出ゲーム,AIを使ったウェブページ作成などである。

ウルシノフ区 J. U. ニェムツェヴィチ記念公共図書館 127

ウルシノフ地区はワルシャワの最も南に位置する地区で,ショパン空港のすぐ東側にある。館名についているJ. U. ニェムツェヴィチは,1791年の5月3日憲法の採択を推進した歴史的人物である。ウルシノフ地区の人口は約15万人で,地区内には図書館は15館ある。内訳は,大人と青少年向け図書室が11,児童室が7,その他(閲覧室等)が2で,一部は同じ建物内に併設されている。今回行ったのは,大人と青少年向け図書室と「閲覧室4」が併設された地区のメインライブラリである。子ども向けの図書館はここから50メートルほど先にある。図書館は集合住宅の一画にあり,そこを間借りしているような感じである。入口を入ってすぐの廊下には,図書交換コーナーがあり,訪問時には利用者が図書を見ていた。ここにはフィクションも並べられている。館内は右側が主に読みものの部屋で,左側が「閲覧室4」である。開館時間は月・火・木・金が10時から19時,水が11時から15時で,週40時間である。右側の部屋に入るとカウンターがあり,そこには2人の女性職員が座っている。カウンターからはロックの音楽が小さな音量で聞こえていた。自由な感じである。訪れたのは午後3時頃で,老夫婦を含めた利用者が次々とやって来ており,利用者は途切れなかった。図書は所狭しと並べられている。書棚は6段から7段と高めで,図書が詰まっており横積みのものも多い。ポーランド文学やアメリカ文学が多く,日本文学では村上春樹が多かった。他に「カズオ・イシグロ」も紹介してもらったが,日本文学とは少し… 違いますかね,と言っていた。文学書にはビニールカバーがかかっていた。左側の「閲覧室4」にも2人の職員がいた。こちらにはコピー機が設置されている他,資料としては一般書が並んでいた。室内にはソファや利用者向けのインターネット端末もある。ニェムツェヴィチ氏の肖像画も飾られている。両部屋ともに広さはそれほどなく,合わせてもおそらく200㎡ぐらいであろうか。「図書館に来ている」というよりも「個人宅にお邪魔している」といった雰囲気である。非常にウェルカムで居心地の良い雰囲気である。堅苦しさや官僚的な感じは全くない。地区内にこれだけ多くの図書館があると,常連の利用者中心で,職員との関係性もできているように感じた。全体としては読みものが多く,魅力的な作品を取り揃えることで,多くの利用者を引きつけている印象を受けた。

第二次世界大戦前の図書館を移した写真集を見ていると5,この図書館も同様だが,ワルシャワの図書館の原形が見えてくる。独立した図書館ではなく集合住宅などに入居していること,施設は小規模であること,対象者・所蔵資料ごとに施設を分けていること,名称に番号がつけられていること,などである。100年近くにわたってこうした仕組みが維持され続けている点は興味深い。

ヴィラヌフ地区 貸出室 Radosna(喜びに満ちた) 133

ヴィラヌフ地区にある。ヴィラヌフはワルシャワの南の地区で,人口は約4万人である。地区内に図書館は4館あり,これは分館である。施設は図書館として建てられたものである。これまで,ワルシャワで見てきた間借りをしているような図書館とは大分,趣が違う。建物の2階奥にあり,図書館の窓からは公園の緑がきれいである。周辺には小学校,幼稚園,プール,サッカー場,公園などがあり文教地区のようである。行った時間帯がちょうど下校時刻と重なったためか,図書館周辺は子どもとそれを迎えに来た親御さんで混雑していた。図書館は文化センター及び教育センターと同居している。文化センターでは,子どもから大人までを対象とした多くのプログラムが実施されている。図書館にもそうしたイベントの案内が掲示されており,役割分担しているようであった。図書館の面積は約500㎡ほどであろうか。日本の図書館の感覚からは小規模だが,これまで見てきたポーランドの図書館としてはかなり広い印象である。天井は高く,書架の間隔も広い。書棚も図書館用のものである。入口付近は児童コーナーで,絵本や児童向け図書が並んでいる。また,緑色の絨毯が敷かれ,クッションや子ども用の小さな椅子や机が置かれている。カウンターには2人の職員がおり,その近くにはYA向けの図書,DVD,オーディオブック,ボードゲームなどがある。日本のコミック類は見当たらなかったが,夏川草介『君を守ろうとする猫の話』が面陳されていた。図書館内には閲覧席のようなスペースは見当たらなかった。OPACの端末があった。よく考えると,ワルシャワ市内の図書館ではあまり見かけなかったものである。全体に,これまで見てきたワルシャワの図書館と異なり,いわゆる普通の図書館であった。

ヴィラヌフ地区 メインライブラリー 52

こちらもヴィラヌフ地区にある。2015年に開館したメインライブラリーである。建物1階には文化会館があり,図書館は2階にある。この前に行った133号も文化会館と併設されていた点と,こちらもいわゆる「図書館らしい図書館」である点で共通している。ヴィラヌフ地区は,他のワルシャワの地区と少し異なる整備方針がとられているのかもしれない。ちなみに現在の図書館長(代理)はワルシャワ大学で図書館学を学んだ方である。これまで見てきた図書館の中では,かなり大きな部類に入る。2階には集会室が2部屋あったが,訪問時には開放されていなかった。これまでのワルシャワの図書館は,ドアなどで空間を細かく区切っていることが多かったが,この図書館は開放的である。入口のドア以外にドアはほとんどなかった。日本の公共図書館と類似している。ドアを入り進んでいくとカウンターがあり,その近くには児童書コーナー,YA向けのコーナー,コミックなどが並んでいる。日本のコミックは見当たらず,スヌーピーなどが目についた。右手にはポーランド文学,英米文学などの文学書が並んでいる。また,オーディオブック,DVD,ボードゲームなども置かれている。ボードゲームは空箱で,中身は別に保管されている。奥へと進むと児童室があり,お母さんが子どもに本を読んであげていた。雑誌が置かれソファの設置されたブラウジングルームもあるが,利用者はいなかった。一番奥には一般書がかなり置かれており,他に各国の文学書も並べられていた。全体に文学書も多いが,一般書も充実している印象であった。133号同様,フルセットのコレクション構成である。訪問時には日本のコミックは特に目につかなかったが,あとで図書館のウェブページを見てみると,実際には所蔵されていたようである。図書館ごとの貸出ランキングが公開されており,この図書館では日本の図書が3点もトップ10入りしていた。『僕のヒーローアカデミア』が1位,『トイレの花子さん』が3位,『鬼滅の刃』が8位である。なんと言ってよいのか分からない感じだが,『トイレの花子さん』がポーランド語に翻訳されているのを初めて知った。

STORYTEKA

ワルシャワのBielany地区にある。郊外の巨大商業施設ガレリア・ムウォチニ(Galeria Młociny)に入っている。図書館の入口側は全面ガラス張りで,周囲の商業施設と違和感がない。入り口を入ってすぐ左手にはカウンターがあり職員が3名いる。壁際には書棚が並べられているが,資料は少ない。主な対象者は乳幼児から若者向けであろうか。右手には絵本のコーナーがあり,年齢別に分けられている。靴を脱いでくつろげるよう絨毯も敷かれていた。それ以外の資料としては,まずボードゲームがあり,実際に返却に訪れていた利用者もいた。オーディオブックやコミックも置かれている。コミックには日本のマンガももちろん含まれている。PCは3台設置されている。いろいろな作業ができるテーブルもある。訪問時には,利用者がひとり,テーブルでPC作業をしていた。一番奥には大きなディスプレイが設置されており,PlayStationが楽しめるとのことだった。週末は混雑しそうだが,日曜日は閉館しているとのことだった。この図書館は,韓国のピョルマダンのように「買い物ついでに立ち寄る」スタイルではない。資料を提供するようなタイプの図書館でもなく,さまざまなプログラムを中心とした運営が行われていた。公式サイトによると,子ども向けのロボットコーディングやYA世代向けのライティング指導,ボードゲーム大会,マンガクラブ,Lego Educationを用いたプログラムなど,多様な活動が展開されている。図書館の使い方を学ぶ「図書館のレッスン」もあり,幼稚園生や小学校1年生向けのコースでは読み聞かせが実施されていた。その中で「紙芝居」が活用されている。公式サイトによると「紙芝居劇場(Teatrzyk KAMISHIBAI)」は「日本の物語の語りから生まれた紙のイラスト劇場」と紹介されていた。商業施設を訪れた家族連れなどが,ひと味違う図書館の姿を感じられる場所のように思えた。

Mediateka START-META

Storytekaからそう遠くない。ここは各種メディアを中心にした図書館である。入口すぐにカウンターがあり,複数名のスタッフがいた。館内の資料は貴重なものが多いためか,盗難対策には気を使っていそうな雰囲気だった。右側にはボードゲームがたくさん置いてあった。入って一番目立つところには,ビデオゲームのソフトが並んでいる。Xbox,Playstation,Nintendo Switchなどのゲームである。実際にOPACで件名「コンピュータゲーム」(Gry komputerowe)で検索してみると,この図書館では683件がヒットした。ほかにも,CD,DVD,レコード,オーディオブックといった各種視聴覚資料を所蔵していた。スペース的には,オーディオブックが充実していた。館内をさらに奥に進むと,読みもの中心の通常の図書が並んでおり,コミックコーナーも設けられていた。メディア館(Mediateka)となっているが,通常の資料も所蔵しているわけである。2階は「マルチセンター」(multicentrum)となっていたが,訪問時は閉まっていた。公式ウェブによると,高齢者向けのコンピュータクラスや,STEAM教育の一環としてLego Educationの「BricQ」や「SPIKE」,さらには折り紙(Origami)などのプログラムも行っている。このようにゲームを含めて多様なメディアに焦点を当てて提供しているのは,やはり小規模図書館中心だと,こうしたメディアを扱うのに限界があるためであろう。一方で,近年のように,なにごとも配信中心になると,パッケージ系メディアのニーズがどこまであるのか,気になるところではある。

  1. 福井夏海. (2017). ポーランド図書館見学記. St. Paul’s librarian, 31, 113-118. ↩︎
  2. http://biblioteka.pruszkow.pl/historia/ ↩︎
  3. http://biblioteka.pruszkow.pl/wp-content/uploads/2023/08/Statut.pdf ↩︎
  4. http://biblioteka.pruszkow.pl/pracuj-z-nami/ ↩︎
  5. Strojek, Agnieszka., et al. Warszawskie Biblioteki Publiczne Na Starych Fotografiach. Warszawa: Biblioteka Publiczna m.st. Warszawy. Biblioteka Główna Województwa Mazowieckiego, 2024. Print. ↩︎