行ったところ(2/17〜)

ホッパーズ・クロッシング図書館

メルボルン都市圏内のウィンダム市にある1。サービス対象人口は33.7万人で,物理資料の貸出点数は160万点,来館者数は98.9万人であった。貸出密度は,物理資料が4.8,電子資料を含めると5.4である。フルタイム換算の職員数は80.4人である。図書館は,パシフィック・ウェリビーという巨大ショッピングモールにある。モール内にはユニクロも入っていた。

図書館は2階にある。ワンフロアであるが,かなり広い。平日午後に訪問したが,館内に滞在する利用者は多かった。入口を入ると,自動貸出機が3台設置されている。訪問時は旧正月の時期だったため,中国に関する図書や中国をテーマとした展示が行われていた。入口近くには総合カウンターとインフォメーションカウンターがあり,新刊図書や予約資料もこの周辺にあった。

コレクションは,カウンター付近からフィクションが並ぶ。そのうち,ロマンスや犯罪小説は別置されていた。その奥にノンフィクションがある。ノンフィクションは他の図書館と同様,テーマ別排架であった。ここではその中をさらに細かく分類している。たとえばビジネス & ITというテーマでは,マネージメント & リーダーシップ,マーケティング,キャリアなどに分かれている。テーマ内はDDC順であった。左奥にはTEENコーナーがあり,フィクションとグラフィックノベルが排架されている。このコーナーも多くの利用者がいた。

フロア中央には雑誌,新聞,大活字本,DVD,オーディオブック,多言語図書がある。ここは赤いソファーも多く置かれている。多言語図書は,中国語とイタリア語であった。右側にはPC,プリンター,コピー機,ドキュメントスキャナーなどが設置されている。図書館資料をコピーする利用者は見かけなかったが,PCで作業したものを印刷する人は多かった。この館には北欧でよく見たHubletも設置されていたが,訪問時に利用はされていなかった。部屋としてはコミュニティ・ラーニング・ルームと静寂室があり,いずれも開放され,多くの利用者が利用していた。書架はここも4段で,一番上の段は面陳用である。図書には裏表紙の内側にRFIDが貼付されていた。OPACで検索すると,サム・メリフィールド図書館と同様に,他自治体の図書館蔵書も一括して検索できる仕組みになっていた。

児童コーナーには,キッズフィクション,ジュニアフィクション,ジュニア・グラフィックノベル,バイリンガル・ストーリー(2言語併記の図書),ラーニングリソース,絵本などが排架されている。ノンフィクションは一般向けと同様にテーマ別排架であり,「おもしろ事実」(Fun Facts),「つくってやってみよう」(Things to make & Do),「動物」,「おはなしと言葉遊び」(Tales & Rhymes),「環境と科学」などのテーマが設定されていた。さらにその中は細分化されており,たとえば「つくってやってみよう」では,クッキング,レゴ,芸術,絵,工作,マインクラフト,スポーツなどに分かれている。DDCに必ずしもこだわっていない。

ラーニングリソースの棚には,文字を習い始めたばかりの子ども向けのDecodable関連資料が充実している。ABC Reading Books,Decodable Readers,Era Phonics Decodables,Fitzroy Readers,Little Learner Loves Literacy,Handwriting Practiceといったシリーズが並んでいた。この図書館でも,就学前までに1,000冊読むことを目標とした「1,000冊チャレンジ」が実施されていた2

右奥にはローカルヒストリールームがあり,系図データベースの「ファミリーサーチ」も利用できる。マイクロフィルムがキャビネットに収められており,ビクトリア州だけでなく,オーストラリア各州,さらにはニュージーランドの資料も含まれていた。内容も多様で,遺言,第一次世界大戦,エドワード朝等に関する資料などがあり,充実している。図書館では毎月1回,ライブラリアンが主催するファミリー・ヒストリー・グループが開催され,新しい情報源を学んだり,知識を共有している。

館内での過ごし方を見てみると,読書をしている人,スマートフォンをじっくり見ている人,眠っている人,PCで作業している人,知り合いと会話をしながら作業している人など,さまざまであった。意外と多かったのが電話をしている利用者である。オフィスのように使っている人もいるようであった。館内は常にざわざわしており,会話をしていてもあまり気にならない雰囲気であった。

プログラムとしては,第二言語話者向けの英会話,麻雀,若者の夜(Youth Night),浜辺でのライムタイムなどがあった。若者の夜(18:30〜20:30)は13歳から18歳が対象で,フォトブース,ミニゴルフ,ゲーム,ダンジョンズ&ドラゴンズ,宝探し,占い,有名人そっくりさんコンテストなどをやるとのことである3。なかなかおもしろそうである。浜辺でのライムタイムは,ウェロビー・サウスビーチで30分ほど,お話しやダンスを楽しむ内容である。また,英語を読むサークルもあった。

最後に,興味深かった点を二つ挙げたい。一つ目は,ボランティアの募集である。チラシによると活動内容は排架に限らず,イベントの企画,さらにはコーディングやチェスまで含まれている。特に若者のボランティアを募集しており,チラシには,若者の経験を広げることや,図書館の裏側を知る機会になるよう設計されていることが記されていた。ボランティア活動を教育的機会に位置づけているように感じた。

二つ目は,ホームラーニングの学習者向けセッションである4。ビクトリア州では,登録制であるが学校に行かず家庭で子どもを教育するホーム・ラーニングが認められている5。そうした子どもを対象に,学期中に2〜3回,セッションを実施している。直近では,5歳から7歳を対象に,「お話しとクラフト」の会が開かれる。また,メーカースペースを備えた図書館では,8歳から14歳を対象にSTEAMラボを活用したセッションも行われている。そうした家庭に他の子どもと接するよい機会になるように感じた。

ギズボーン図書館

メルボルンから北西に約50キロ離れた,マセドン・レンジズ・シャイアという自治体にある6。運営主体はノースセントラル・ゴールドフィールズ地域図書館法人である。グレーター・ベンディゴ市,ロッドン・シャイア,マセドン・レンジズ・シャイア,マウント・アレクサンダー・シャイアの4自治体が参加している。この法人は10館の図書館と,Agenciesと呼ばれる7つのサービス拠点を運営している。

統計によると,サービス対象人口は20.8万人,職員数はFTE換算で54人である。物理資料の貸出は96.1万点,電子書籍の貸出は58.6万点,来館者数は85.9万人である。電子書籍の貸出比率が高い。また,来館者数が物理資料の貸出点数に近く,来館利用も活発である。貸出密度は物理資料が4.6点,電子書籍を含めると7.4点である。

この図書館システムがカバーする面積は12,979km²で,東京都の約6倍である。広大で人口が希薄なため,Agenciesが設けられているわけである。Agenciesには定期的に職員が訪問し,予約資料を提供したりしている。職員が常駐するのは週,曜日ともに限られている。電子書籍利用が多いのもこうした地域性と関係していると考えられる。

図書館は,地域の商業施設が集まるエリアの近くにある。メルボルンの中心街では,アジア系,インド系,アラブ系などを多く見かけ,多民族都市的な雰囲気があるが,ここではそうした背景を持つ人はあまりみかけない。建物は1980年に建設され,2009年に改装されている。さらに2026年4月からは,リビング・ライブラリー・インフラ・プログラムによるリノベーションが予定されている。このことは別途述べたい。

平屋建ての小規模な図書館で,系図資料を集めた部屋への入口が別にある。訪問時は閉まっていた。ここではギズボーン系譜学グループが活動している7。館内では親子連れ3組とPCを利用している人が2人おり,それ以外にも利用者が頻繁に来館していた。入口を入ると正面にカウンターがある。自動貸出機も2台設置されていた。入口周辺には予約資料,パズルの交換コーナー,特集展示,種の図書館がある。また,「We welcom everybody」と書かれた歓迎のポスターと,館内の行動ルールを示す Code of conduct のポスターが掲示されている。あらゆる人を歓迎する一方,館内で禁止する行為を明示することはヨーロッパ,北米でも多く見られた。

入口を背に左側には大人向けのフィクションが並び,奥に新聞・雑誌,さらにTEENコーナー(グラフィックノベルとフィクション)がある。TEENコーナーにはビーズソファが置かれていた。手前にはPCコーナーがあり6台設置されているが,訪問時は2台が使用されていた。奥にはブラウジングコーナーがある。キッチンも併設され,利用者が自由に使える。サム・メリフィールド図書館では,冷蔵庫が置かれていたが,こうした設備があるのは興味深い。

面陳されている図書の中には,職員の名前付きの staff pick (推薦図書)がある。書棚は移動式の4段または5段で,最上段は面陳用が多い。装備は,ハードカバーには特に何もしておらず,ペーパーバックにはブッカーがかけられていた。RFIDタグは裏表紙の内側に貼付されている。OPAC は Spydus が使われていた。

入口から見て右側には,大活字本,ノンフィクション,伝記,視聴覚資料(オーディオブック,DVD)が並んでいる。児童用資料としては,ボードブック,絵本,簡単な読み物,児童向けフィクションとノンフィクションなどが排架されている。児童コーナーの奥には屋外の中庭があり,遊び場として使われていた。壁で他の空間と区切られた安全な場所で,ベンチも設置されているため,子どもを安心して遊ばせることができる。実際に2組の親子が利用していた。

興味深い点を2点挙げたい。1点目は,ノースセントラル・ゴールドフィールズ地域図書館法人についてである8。複数自治体が法人を設立して図書館運営を担う方式は,ジーロングの図書館でも見られたものである。ここでは4自治体が参加していた。運営を担う委員会は,各自治体から議員と行政の幹部職員(マセドンは議員のみ),さらに図書館のCEOで構成されており,予算は人口比で配分されている9。2025年の住民一人あたりの負担額は28.0豪ドルであった。建物は各自治体の資産であり,運営が法人に委ねられている。

2点目は,「自動更新」(Automatic Renewals)という「サービス」である10。ちょうど,開始されたばかりであった。これは,資料が返却されない場合,一定の条件を満たせば自動的に貸出期間が更新されるという仕組みである。予約資料でないことや,更新回数の上限に達していないことなどが条件である。図書の場合は最大5回まで更新できる。この図書館では延滞料が廃止されており,延滞になっても料金や罰則は科されない。いちいち貸出更新の手続きをしなくてよいので利用者にとって利便性が高い一方,図書館側にとっても督促業務が不要になる利点がある。また,更新を貸出回数としてカウントすれば,統計上のアウトプットは増える。ただし,資料が書棚に戻りにくくなり,貸出中のものを借りようとしても予約から受取までに時間がかかるなど,資料アクセス面での影響も考えられる。

ドック図書館

メルボルン市(City of Melbourne)の図書館の一つである11。メルボルン市はメルボルン都市圏の中心に位置する自治体で,日本で言えば千代田区とその周辺のいくつかの自治体が合わさったような位置と規模である。メルボルン都市圏は,行政の単位ではないが,約30の自治体から構成される地域で,人口はおよそ500万人ほどである。

市内には図書館が7館あり,サービス対象人口は18.9万人,職員数はFTE換算で105.3人である。物理資料の貸出は105.9万点,電子書籍の貸出は46.1万点で,利用登録者数は9.8万人である。貸出密度は物理資料で5.6点,電子書籍を含めると8.0点となり,比較的高い。独立した図書館委員会は設けられていないようである。

図書館は,メルボルン中心部(CBDと呼ばれる)に近い再開発地域にある。目の前にはヤラ川のフェリーターミナルがある。建物はグラウンドフロア,1階,2階からなる3階建てであった。ちょうど正面がフェリーターミナルに面しているため眺めがよい。グラウンドフロアと1階はガラスの壁沿いにソファが並んでいる。

グラウンドフロアには,入口近くからカウンター,ブラウジングコーナー(雑誌),おもちゃ貸出,予約資料,特集展示,グラフィックノベル,DVD,ゲームソフト(Xbox,PS4,PS5),CD,フィクション,旅行書,中国語図書,TEEN,英語学習図書,外国語学習図書などがある。一番奥には児童コーナーがあり,ジュニアフィクション,ジュニアミドルフィクション,ジュニアノンフィクション,ジュニアイージーリーダーズ,絵本,グラフィックノベル,DVD,CD,育児書などが排架されていた。訪問時,4〜5組が滞在しており,子ども用PCが人気だった。フロア中央にはアクティビティルームがある。裏側の公園の芝生に面していて眺めがよい。予定表を見ると,毎日さまざまなプログラムが組まれていた。

1階はノンフィクション,伝記,メルボルン市のローカルヒストリーコーナーがあった。ノンフィクションはテーマ表示がなされ,その中はDDC順で排架されている。また,この階にはかなり広いギャラリーがあり,メキシコで撮影された写真のコラージュ作品が展示されていた。アクティビティルームの上は「スタディースペース」で,静かに勉強・作業する空間である。図書にはRFIDが貼付されており,複本は多くはないが3冊程度所蔵しているものも見られた。書棚は4段で,一番上が面陳用になっているものが多かった。

2階には蔵書はない。階段を上がったところには「ソーシャルスペース」があり,会話が可能である。実際に何組かが話しをしていた。スタディースペースの上には卓球場があり,かなり熱の入った対戦が行われていた。そのほか,ミーティングルームやパフォーマンスルームなど,多目的に使える部屋がある。

奥には広いメーカースペースがあり,訪問時には6人ほどが利用していた12。スタッフが1人常駐している。ミシンを中心とした服飾関係の設備が特に充実している印象を受けた。実際,服飾関係の作業をしている利用者が多く,そのほかに映像編集と3Dプリンターを使っている人がそれぞれ1人ずついた。また,「Borrow some gear」というコーナーでは,多様な機器を借りることができる。奥にはシンセステーションがあり,シンセサイザーの演奏や録音が可能であったほか,ピアノ練習室やレコーディングルームもあった。これまでに見てきた中でも,最も充実したメーカースペースの一つである。

メーカースペースを利用するには,短いビデオを視聴した上でクイズに答える必要がある。これは全体的,基本的なことを学ぶもので40分程度かかる。その後,施設特有の安全講習を図書館で受ける。これは15分程度である。機器の具体的な使い方は,利用者自身が図書やLinkedIn Learningなどを用いて学ぶ。

全体の印象として,イベント,会合,グループ学習,映画,演劇,音楽会,ワークショップ,研修,運動,創作,仕事,勉強など,多様な活動ができるスペースがうまく図書館に組み込まれていた。蔵書量も一定程度確保されている。オープンな空間が多い一方で音のコントロールもよく考えられていた。閲覧用のソファ席は豊富に用意されていたが,ほとんどが埋まっていた。居心地がよいのであろう。

印象的だったのはメーカースペースとそこで貸出していたキットである。メーカースペースというと3Dプリンターを思い浮かべがちだが,ここではそれは一部にすぎない13。服飾・縫製関連では,トルソー,刺繍ミシン,多機能ミシン,カバーステッチミシン,ロックミシンなど各種ミシンに加え,型紙投影用プロジェクターやバイアステープメーカーなどがあった。繊維・プリント・加工関連では,ヒートプレス機,キャッププレス機,カッティングマシンがある。デジタルファブリケーション関連では,電子工作部品,はんだごて,オシロスコープ,信号発生器,デジタル顕微鏡があった。音楽・サウンド制作分野では,音楽制作コントローラー,MIDIキーボード,リズムマシン,シンセサイザーなどがあった。

また,メーカースペースで貸出しているキット(Borrow some gear)も充実している14。映像・写真・配信分野では,アクションカメラやフィルムカメラなどの撮影に用いる機器,Webカメラやマイク等,配信・収録のための機器,さらにジンバル,三脚,照明といった撮影補助の機器などがある。音楽制作・サウンド分野では,シンセサイザーや MIDI コントローラー,ドラムマシンなど作曲・音源制作に関わる機器,マイクやオーディオインターフェース,レコーダーといった録音・編集の機器,そしてエフェクターやループペダル,チューナーなど音響加工・演奏補助を行う機器などがあった。プログラミング・ロボティクス分野では,カード型やブロック型教材を用いたプログラミングの入門教材,ロボットやロボットカーをコードで制御する教育用ロボット,Arduinoやmicro:bit,Raspberry Pi等の電子工作関連などがあった。利用状況をざっと見ても,借りられているものが多かった。

バンジル・プレイス図書館

ケイシー市のナーレ・ウォーレンにある15。郊外にある図書館だが,周辺には商業施設や官庁施設が集まっている。開館は2017年で,図書館は「ブンジル・プレイス」と呼ばれる複合文化施設に入っている16。ここにはギャラリー,スタジオ,シアターなどが併設されており,かなり大きく,またゴージャスな文化施設であった。曲線を多用した印象的な建築で,ロビーの中心には木材で組まれた大きなオブジェが据えられている(図書館は画像の右側部分)。

この図書館を運営しているのはConnected Librariesである。このことは後述する。サービス対象人口は40.5万人で,登録利用者数は9.7万人,職員数は59.2人(FTE換算)である。物理資料の貸出点数は124.9万点,電子書籍の貸出は108.1万点であり,貸出密度は物理資料が3.1点,電子書籍を含めると5.7点になる。電子書籍貸出が多い。来館者数は77.6万人で,ケイシー市には7館の図書館がある。

図書館は3階建てで,グラウンドフロア,1階,2階からなる。カウンターは入口入ってすぐの場所と,階段を上がった1階にある。グラウンドフロアは主に児童向け,1階はTEEN向けとフィクション,ノンフィクション,雑誌,2階はフィクションとノンフィクションが中心であった。スペースの関係からか,フィクションとノンフィクションの棚が混在していた。

夕方の下校時刻に訪問したが,中高生が非常に多かった。席は多くあったが,ほぼ埋まっていた。図書館員によると,この時間帯はいつもこのような状況とのことである。近隣に学校が多いことも影響しているとのこと。中高生はテーブルでグループ学習をしていることが多く,館内はいわゆる図書館らしからぬ賑やかさであった(特に1階)。TEENコーナーにはビデオゲームを大きなディスプレイで遊べるようになっており,遊んでいる生徒も見られた。席が見つからず館内を歩き回る生徒や,OPAC用の机で勉強している生徒もいた。

グラウンドフロアに入ると,まず児童向けノンフィクションがDDC順に並び,その近くに予約図書の棚が設けられているが,その量は非常に多かった。そのほか,PCが6台,DVD,多言語図書(中国語,シンハラ語,ヒンディー語,ペルシア語,英語学習図書)がある。奥には絵本,文字を学び始めた子ども向けの図書(Fitzroy Readers,Decodable Readers,Licenced Readers等),ジュニアフィクション,ジュニア向けグラフィックノベル,多言語絵本(VoxBooksを含む)などがあった。また,プレミア・リーディング・チャレンジ(K-2,3-4,5-6など)に対応した図書を集めた書棚も設けられていた。このことは後で触れる。自動貸出機やコピー機もこのフロアにある。

1階へはらせん状の階段を上っていく。1階は大部分が吹き抜けとなっており開放感がある。テーブル席や窓際の一人席など席数は豊富だが,訪問時はほとんどが利用されていた。階段を上がった付近には,ロマンス,ウェスタン,ミステリーなどの別置のフィクションに加え,オーディオブックや大活字本が置かれている。PCは10台ほどあり,半分ほどが使用中であった。

ノンフィクションのテーマを見ると,これまで見てきた図書館とは微妙に異なる。例えば,「ビジネス & IT」ではなく,「ビジネス & ファイナンス」というテーマが用いられている。テーマ内はDDC順だが,ヘルス & ウェルビーイングの棚では,158,362,610といった番号が飛び飛びに並んでいた。装備面では,ハードカバーには装備がなく,ペーパーバックにはブッカーが貼られている。雑誌は装備されていなかった。RFIDは裏表紙内側に貼付されている。OPACを見ると,システムはSirsiであり,Syndetics Unboundによって書誌データが補強されている。このOPACからはケイシー市外の多くの図書館も検索可能であった。ヒットする図書館は,サム・メリフィールド図書館で検索できたものとは重複していなかった。

1階から2階へは大きな階段が設けられており,この階段でも閲覧や学習が可能になっている。実際にここでも生徒たちがグループで学習をしていた。階段を上がった2階左側はQuiet zoneとされているが,空間的に区切られているわけではないため,下階のざわめきは響いてくる。1階と2階にはサイズの異なるミーティングルームが用意されていた。

この図書館では多様なプログラムも実施されている。興味深いものとしては,「クラフト & ウォッチ」,「ディスカバー・She・ベンチャー」,「レインボー・ブック・グループ」などがあった。クラフト&ウォッチは,映画を鑑賞しながら,各自持ち寄った手芸などの「創作」活動を行うプログラムである。ディスカバー・She・ベンチャーは,女性向け旅行会社を運営する人を招き,女性の旅行について情報交換を行うものであった。レインボー・ブック・グループは,LGBTQIA+のキャラクターや作家について語り合う。少しひねった企画が多い印象である。

興味深かった点を四つ挙げる。一つ目は,とにかく生徒であふれていたことである。ただし,午前中は基本的に静かとのことであり,時間帯にも依るようであった。多くの図書館ではTEENの利用をどう増やすかが課題として挙げられることが多いが,ここでは多すぎるほどであった。多くの生徒が楽しそうにグループで学習している様子が印象的である。新しく,きれいな施設で,学習のためのスペースも十分用意され,しゃべっていても大丈夫な環境は,少なくとも活発な利用に寄与しているようであった。

二点目は児童コーナーに設けられていたプレミア・リーディング・チャレンジについてである17。ここでいう「プレミア」とはビクトリア州首相を意味する。この取り組みは3月から9月まで行われる児童生徒向けの読書推進活動であった。この期間に一定数の図書を読み,その記録をオンラインで共有する。対象の図書はリスト化されているが,それには限定されない。図書を読んだ後は,学校に配置されているチャレンジコーディネーターに読書したことを確認してもらう。読むべき冊数は,2年生までは30冊,3〜9年生は15冊,10年生も15冊である。達成すると,首相名の修了証をもらえる。

三点目に,この図書館の運営体制について整理しておく。この図書館の運営は Connected Libraries Ltd が担っている18。自治体が直接運営しているわけではない。但し,ジーロングの図書館とも運営体制は異なる。ジーロングでは,複数の自治体が集まってジーロング地域図書館法人を設立し,各自治体代表からなる地域図書館委員会(Regional Library Board)が運営を担っていた。Connected Libraries Ltdはケイシー市の図書館のみを運営している。組織は非営利法人である。歴史的には,ジーロングと同様に複数自治体による共同の法人が運営してきたが,自治体合併に伴いその枠組みが解体され,現在はケイシー市のみを担う体制となっている。法人の性格は非営利であり19,ガバナンスは図書館委員会(Board)が担っている。ここには議員や行政の幹部職員,行政の専門家が関わっている20

最後に,Connected Librariesでは,現在,デジタルリテラシーのチームリーダーを募集していた21。その採用条件として最初に挙げられているのが,「オーストラリア図書館協会(ALIA)の専門会員(Professional Membership)になる資格を有していること」であった。「OR」として実務経験も示されているが,基本的には,ALIA認証の学部・大学院における学位が必要となっている。ALIAは,ALAと同じように学位課程の認証を行っており,そこでの学位が採用に結びつけられているわけである。他の求人票を見ていると22,必ずしも全てで同様の記載があるわけではない。しかし,フルタイム職員で,かつ管理的職務や専門性の高い職務については,この資格要件が明示される傾向があるようであった。

エルサム図書館

ヤラ・プレンティー地域図書館(Yarra Plenty Regional Library)が運営する図書館の一つである23。この図書館システムは,バンユール市,ニルンビック・シャイア,ウィットルシー市の3 自治体によって運営されている。これらはメルボルン北東部の郊外に位置している。図書館理事会は各自治体から2名ずつの議員で構成されている。エルサム図書館は,このうちニルンビック・シャイアに位置する図書館である。周囲は自然が豊かで,公園が広がり,野ウサギもいた。気持ちのよい環境にある。

図書館システムの状況は以下のとおりである。サービス対象人口は約10.1万人であり,うち利用者数は約6.0万人である。図書館は10館あり,他にサービス施設が4つ,移動図書館が1台運行している。FTE換算の職員数は47.4人である。物理資料の貸出は58.6万点,電子書籍の貸出は28.6万点であり,貸出密度は物理資料のみで5.8,電子書籍を含めると8.7とビクトリア州では高い水準にある。来館者数は62.6万人で,市民一人当たりの平均来館回数は6.2回となっており,こちらも多い。

エルサム図書館の建物の雰囲気は,台湾で見た北投分館と少し似ている。1994年に開館した建物であり,赤い屋根の建物でほぼ平屋建てである。木材が多用され,館内に見られる曲線も美しい。建築を紹介する映像の冒頭を見ても,その独特さがよく分かる24。入口を入ると,まずコミュニティギャラリーがある25。訪問時は「クィアの身体」という企画展が開催されていた。そこを進むと図書館である。

入口のゲート前にはガラス越しに自動の仕分け機が見える。入ってすぐのところにカウンターがあった。ここが唯一のカウンターである。スタンディング形式である。左手が児童コーナー,右手の手前がティーン・コーナー,そのさらに右がブラウジングコーナーとなっている。フロア中央からノンフィクション,フィクションと書架が続く。ブラウジングコーナー脇には中二階があり,Quiet Space として使われていた。20席ほどの仕切り付きの席があった。カウンター前には,カモノハシの印象的な彫刻が置かれている。

児童コーナーは,手前に円形の小さな部屋があり,比較的多くの図書が並んでいる。デコーダブル・リーダーズなどのリテラシー図書,ジュニアコミック,ジュニアフィクション,ジュニアノンフィクション,である。奥には大きなスペースがあり,壁沿いに絵本が排架されている。フロアには丸くて平らなソファがいくつも置かれ,親子で本を読めるようになっていた。そこからは屋外の「チルドレンガーデン」に出られる。

カウンター横には,量は多くないものの VoxBooks やディスレクシア・フレンドリー・ブックスが置かれていた。夕方に訪問したところ,ティーン・コーナーには多くの生徒が滞在していた。スペースに収まりきらず,一般向けのテーブルでもグループで学習(またはお話し)をしている。窓際には一人席やソファ席が並んでいたが,ほぼ埋まっていた。Quiet Space も混雑していた。

ノンフィクションは基本的に DDC 順に並んでいるが,「スポットライト」として一部テーマを別置していた。別置されていたのは,料理,芸術とデザイン,工作,健康と幸福,伝記,旅行,園芸などである。「センシティブ・サブジェクト」という張り紙もあり,キーワードの横に対応する DDC が示されていた。多言語図書としては中国語資料が見られる。Book Express という書棚もあり,貸出期間は3週間,予約不可,更新不可,5冊までという条件が示されていた。ノンフィクション書架の近くには,大活字本,ローカルヒストリー,録音図書,DVD なども排架されている。ローカルヒストリー・コーナーには地域の写真コレクションがあり,古い写真が厚紙に貼られ,数百枚が閲覧できるようになっていた。

図書には RFID が付与されている。ハードカバーは表紙が外されて装備がされていない。一方で,ペーパーバックは装備されていないものもあったが,されているものも見られた。予約資料(Click & Collect)は多く,数えてみたところ800冊から1000冊ほどあった。フィクション,ノンフィクションともに複本は多い。例えば Nicola Moriarty 著の Every Last Suspect はこの図書館だけで13冊所蔵されており,5冊が排架されていた。自動貸出機は Bibliotheca 製であった。

いくつか興味深い点があった。一つ目はブラウジングコーナーで,目を引くものが多かった。ここには雑誌と新聞が置かれていたが,その一角には「Tea for All」というコーナーが設けられていた。紅茶や冷水を自由に飲めるようになっている。滞在中に利用している人は見かけなかったが,使用後の食器から多くの人が利用していることがうかがえた。さらに,コミュニティ掲示板や「仲間と一緒に読んで」というコーナーもある。後者は,人気のある図書が10タイトルほど,それぞれ複数冊,机の上に並べられていた。その横には「種の図書館」がある。種は小さな袋に小分けされていたが,大きな樽のような容器に入れられていて,なかなか味わい深かった。

二つ目はディスレクシア関連図書である。ディスレクシアのコーナーには,著名な作家であるジョン・フラナガンの『The Royal Ranger』などが置かれていた。Dyslexic Books というオーストラリアの出版社であった26。フォントはウェブページで見られるような特殊なものが使われており,文字間や行間,単語間の間隔も広げられているという。著名作家の作品が,このようにディスレクシア向け図書として刊行されている点は興味深い。

三つ目は図書館サービスの評価である。州立図書館では「ビクトリア州公共図書館年次調査ベンチマーク報告書(2024–25)」を作成しており,64の指標で州内51のランキングを載せている27。これは毎年の統計調査の副産物である。日本でも県立図書館などが同様の資料を作成することはあるが,ここまで包括的なものはあまり見ない。その「顧客満足度」において,この図書館システムは9.40と州内最高の数値であった。同点で1位だったのは,ホッパーズ・クロッシング図書館があるウィンダム市である。他に訪問した図書館では,ジーロングとメルボルンが4位,ゴールドフィールズが10位,コネクティッド・ライブラリーが13位,ムーニーバレーが16位,マリビアノングが18位であった。

最後に,図書館長(CEO)について触れておきたい。2025年10月に交代が発表され,新たな CEO はニコール・ラデン氏となった28。興味深いのはその経歴である。具体的な組織名として YMCA Victoria やグレーター・ダンデノング市が挙げられていた。説明では,政府,非営利団体,民間部門での幹部職員経験を重ねてきたとされている。図書館での経験はないので,行政などでの管理職経験が評価されたようである。前任者はジェーン・コーウェル氏であった29。彼女は基本的に図書館職場でキャリアを積んできた人物である。なお,コーウェル氏は ALIA の会長や IFLA 公共図書館部会のチェアを務めるなど,全国的にも,世界的にも活躍している。こうした団体の CEO には,図書館でキャリアを築いてきた人に加えて,行政の管理職経験のある人が就く可能性があることがうかがえる。

トゥーラック / サウス・ヤラ図書館

スタニントン市の図書館である30。メルボルンの中心街(CBD)から南東に位置する自治体にあり,中心部に近い。周辺は商業施設も多く,全体としてにぎやかな地域である。市内の図書館の中では最大規模とされているが,それほど大きいわけではない。

統計によると,サービス対象人口は11.4万人で,うち利用登録者数は3.0万人である。図書館は4館あり,これに加えて歴史センターが設置されている。図書館職員はFTE換算で40人であり,物理資料の貸出は43.6万点,電子書籍貸出は33.2万点であった。貸出密度は物理資料が3.8,電子書籍を含めると6.7で,電子書籍が多い印象である。来館者数は29.8万人である。

建物は1階建てで,地下にミーティングスペースが設けられている。1階は入口を背にして,左側が主にフィクションと児童コーナー,右側がノンフィクションと閲覧席であった。全体にシンプルなつくりである。ゲートの前には,地域の昔の写真や文書を1枚ずつアルミ板に印刷したものがオブジェとして吊るされており,昔の様子を知ることができる。そこには図書館と地域の情報が掲示された掲示板もあった。入口にはラック式の種の図書館があり,専用の袋に入った種が置かれていた。袋には,埋める深さ,時期,植える間隔や場所など,栽培に必要な情報が記載されている。

左側のフィクションの奥にはTEENコーナーがある。ここにはTEEN向けのフィクションとグラフィックノベルが並んでいた。日本のコミックはほとんど見られない。ほかに大活字本や雑誌があり,雑誌の最新号には日本と同様に透明のプラスチックカバーが付けられていた。装備はされていない。児童コーナーでは,書棚がジュニア・ビギナー・コーナー,ジュニア・ノンフィクション,ジュニア・フィクションに分けられている。奥には広いスペースがあり,簡単な遊具も置かれていたが,基本的にはカーペットが敷かれ,読み聞かせなどに使われる場所である。訪問時には15名ほどの家族連れが滞在していた。

カウンター前には STAFF PICK として職員のお薦め図書が展示されている。また,「Read Now」とシールの貼られた図書もあり,これは人気のある図書である。複本が沢山あった。たとえば『Our New Gods』は,この図書館だけで10冊ほど所蔵され,うち8冊が排架されていた。その先の右側には,多言語図書としてロシア語とフランス語の資料が置かれていた。新刊図書は,フィクション,ノンフィクションともにブックトラックに載せてあった。書架の最後には伝記とレファレンスブックが排架されていたが,レファレンスブックは2段程度の小さなコレクションであった。

館内のPCは8台あり,訪問時には半分ほどが使用されていた。閲覧スペースは比較的広く,席と席の間には簡単な仕切りがついている。土曜日の訪問であったが,およそ半分程利用されていた。一番奥は Quiet Space であった。書棚は5段で,面陳はあまり活用されていなかった。図書の装備は,ハードカバーはカバーを外し,背の部分をブッカーで補強していた。ノンフィクションにはブッカーがかけられている。今回気づいたのだが,DDCは3桁ごとに段を変えて排架されていた。たとえば641.5366という番号の場合,641./536/6と3段に分かれていた。OPACには SPYDUS が使われていた。

興味深かったことを2点述べたい。一つはジュニア・ビギナー・コーナーの図書である。ここでは読書レベルを1から3段階に分け,それぞれ緑,黄色,赤のラックに収納していた。レベル1は短い文章で,簡単な語や概念を用い一人で読みたい子ども向けの図書である。レベル2は簡単な物語で,文章量はレベル1よりも多い。レベル3は,レベル2よりも複雑なプロット,やや難しい語彙,興味深いトピックを含むとされていた。北米を含め,こうしたレベル分けは,多くの図書館で行われている。

もう一つ興味深かったのは,図書館での利用者の振るまいについての掲示である。こうした掲示は,北欧,英国,北米などでのほとんどの図書館で見られる。ここでは2種類の張り紙があった。一つは職員に敬意を払うよう求める内容である。大きく「職員に敬意(respect)を払ってください。彼らは,あなたを支援するためにいます」と書かれ,続けて「失礼,または攻撃的な行為は許容されません」と示されている。もう一つは「図書館を使うときは」(Using Your Library)と題されたもので,「以下を守ってください」として,他の利用者に配慮するとともに職員に敬意を払うこと,施設とサービスを協力し合い配慮して使うこと,自分の子どもを見守ること,持ち物に注意すること,きれいに使うことなどが列挙されていた。これらの内容は,図書館のポリシーとしてウェブページにも公開されている。

  1. https://www.wyndham.vic.gov.au/services/libraries ↩︎
  2. https://www.wyndham.vic.gov.au/services/libraries/early-years/1000-books-school ↩︎
  3. https://www.wyndham.vic.gov.au/whats-on/library-youth-night ↩︎
  4. https://www.wyndham.vic.gov.au/services/libraries/kids/home-learners ↩︎
  5. https://www2.vrqa.vic.gov.au/home-education ↩︎
  6. https://www.ncgrl.vic.gov.au/ ↩︎
  7. https://www.ggg.org.au/home ↩︎
  8. https://www.ncgrl.vic.gov.au/about-us/ ↩︎
  9. https://www.ncgrl.vic.gov.au/wp-content/uploads/2025/11/GLC-Annual-Report-2024-25-WEB.pdf ↩︎
  10. https://www.ncgrl.vic.gov.au/autorenewals/ ↩︎
  11. https://www.melbourne.vic.gov.au/library-at-the-dock ↩︎
  12. https://www.melbourne.vic.gov.au/makerspaces ↩︎
  13. https://librarysearch.melbourne.vic.gov.au/cgi-bin/spydus.exe/MSGTRNGEN/WPAC/MAKERSPACE?HOMEPRMS=MAKERSPACE ↩︎
  14. https://librarysearch.melbourne.vic.gov.au/cgi-bin/spydus.exe/MSGTRNGEN/WPAC/MAKERKIT?HOMEPRMS=MAKERKITS ↩︎
  15. https://www.connectedlibraries.org.au/ ↩︎
  16. https://www.bunjilplace.com.au/ ↩︎
  17. https://www.vic.gov.au/premiers-reading-challenge ↩︎
  18. https://en.wikipedia.org/wiki/Connected_Libraries ↩︎
  19. https://www.connectedlibraries.org.au/beneficialenterprise/ ↩︎
  20. https://www.connectedlibraries.org.au/our-board-and-management-team/ ↩︎
  21. https://www.plv.org.au/new-position-at-connected-libraries-closing-02-03-2026/ ↩︎
  22. https://www.plv.org.au/careers/ ↩︎
  23. https://www.yprl.vic.gov.au/ ↩︎
  24. https://openhousemelbourne.org/on-demand/modern-melbourne-greg-burgess/ ↩︎
  25. https://www.nillumbik.vic.gov.au/Explore/Arts-and-culture/Arts-places-and-spaces/Eltham-Library-Community-Gallery ↩︎
  26. https://www.dyslexicbooks.com/about-us ↩︎
  27. https://www.plv.org.au/wp-content/uploads/2025/11/03.-2022-23-to-2024-25-PLV-Library-Statistics-Benchmarking-Report.docx ↩︎
  28. https://www.yprl.vic.gov.au/yprl-news/yarra-plenty-regional-library-announces-new-ceo/ ↩︎
  29. https://www.yprl.vic.gov.au/yprl-news/ceo-jane-cowell-to-step-down-after-seven-years-of-transformative-leadership/ ↩︎
  30. https://www.stonnington.vic.gov.au/Library/Home ↩︎