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再開館に向けて(2)

前の記事の続きで,American Libraries誌に「再開館: 『いつ』ではなく『どのように』」という記事を紹介する。

今後,感染拡大の沈静化とともに,図書館が少しづつ開館していくことになるが,記事では,その場合でも各種の配慮が必要とされている。設備の再配置による社会的距離の確保,入館者数の制限,開館時間の短縮,コンピュータの利用制限や消毒,資料を介した感染を防ぐ手立てなどである。また,高齢者や免疫不全の利用者のための時間を設けることも検討されている。PCPLでは,職員と利用者の体温測定も検討している。

日本でも,レジに並ぶ際,一定の距離を保つことが急速に広まった。また,レジを打つ人との間にビニールを吊るすことや,釣り銭のやり取りをトレーを介して行うことも広がっている。どこまで,何をするかはローカルな状況,つまり国,地域,施設の性格によって違いが出てくるであろう。様々な配慮の可能性がある。

記事では,より積極的なサービスとして,求職者に対する履歴書作成など各種支援がAPLで予定しされているという。また,社会的距離を保つため,ノートパソコンを貸し出すことも検討している。記事では最後に,こうした図書館の変化をコミュニティの人々に理解してもらうことは困難であること,利用者には多くのサービスを提供したいがしばらくは一定の制限のもとになりそうであることが,紹介され結ばれている。

感染から利用者,職員を守るといった,いわば消極的な取り組みももちろん必要だが,積極的な創意工夫が図書館員には強く求められるのではないだろうか。

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再開館に向けて(1)

American Libraries誌に「再開館: 『いつ』ではなく『どのように』」という記事が掲載されている(Balzer, Cass. April 17, 2020)

図書館の開館に向けた取り組みという点では,日本の図書館とも共通すると思うので,以下,紹介したい。記事は,オレゴン州のアルバニー公共図書館(APL)を始め,複数の図書館関係者のコメントで構成されているので,ここでは,それらを要約した形で紹介する。

まず,再開館(reopening)は,図書館がコントロールできない不確実性に依存していることが,ニューメキシコ州立図書館(NMSL)の図書館員によって指摘されている。例えば,セキュリティーサービスは外部組織に依存しているため,それらの復旧が関わってくるという。こうした外的な不確実性のため,図書館の再開館に向けた計画は,つねにアップデートを余儀なくされているという。柔軟性が求められるわけである。

このことは,日本の私たちの現在の状況からも容易に理解できる。治療法,ワクチン,感染者の増減,メタレベルの政策,こうしたことが図書館の選択肢を左右している。

つぎに,記事では,再開する場合,その順序として,開館せずに実施できるサービスから始めることが指摘されている。例えば,NMSLでは,相互貸借,予約サービスが挙げられている。また,ピマ郡(アリゾナ州)の公共図書館(PCPL)では,カーブサイドサービスを提供するようである。

これらは利用者同士の接触を最小限にした形でのサービスから,ということだろう。利用者同士の感染を防ぐこととともに,図書館員への/からの感染を防ぐことも重要である。そうした配慮をした上でのサービスが,最初のステップになりそうである。

つぎのステップは次の記事で。