ケンタッキー大学のMLIS

ケンタッキー大学は,州内唯一のALAによるMLIS(Master of Library and Information Science)認定校である。iSchoolに参加している。U.S. News & World Report 2025 のLISランキングでは21位である1。組織的には,College of Communication and Information のもとに大学院課程として MLISとMSLS(Master of Science in Library Science)が置かれている2。以下では主に MLIS について述べ,最後にMSLSについて触れる。MLIS の修了に必要な単位数は36単位であり,必修を4科目,IT系科目を1科目,選択科目を7科目履修する。学位を得るには,GPAが3.0以上であることが求められる。なお,このコースは,完全非同期のオンラインコースのみである

必修科目は,「社会における情報」,「情報検索」,「知識組織化」,「情報組織におけるマネジメント」である。最後の科目では,情報組織におけるマネージメントとリーダーシップを扱う。選択科目を考える際に参考として,関心分野ごとの「選択科目クラスター」が紹介されている3。これは,受講生の関心に応じた選択科目の履修モデルを示したもの,という位置づけである。それらとしては,「学術図書館」,「アーカイブと文化遺産」,「データサイエンス」,「健康情報」,「情報技術とシステム」,「教育(Instruction)コミュニケーション」,「公共図書館」,「学校図書館」,「専門図書館」,「システムライブラリアンシップ」,「青少年サービスと文献」が挙げられていた。

それぞれのクラスターに関する詳細な説明はウェブにはなかった。このうち,教育コミュニケーションは見慣れないが,選択科目としては「ゲーム,リテラシー,意味,学習」や「情報組織における非公式学習」が挙げられていた。図書館などにおける学習環境を構想するときに役立ちそうな印象である。公共図書館向けの選択科目としては「情報組織のためのソーシャルメディア」「公共図書館」「コレクション構築」の3科目であった。

スクール・ライブラリアンになるためには,MSLS(MLISではない)を取得するとともに教員免許が必要である4。このコースはケンタッキー州の認定を受けている。MSLSに必要な単位数は36で,必修科目,IT関連の科目はMLISとほぼ同様である。これら以外に,まず,MLISの「学校図書館」クラスターの4科目の履修が求められる。それらは,「学校図書館メディアセンターの経営」や「同技術」,「同動向」,「同実習」である。加えて,「青少年サービスと文献」クラスターの2科目,そしてそれ以外の科目から1科目の履修が求められる。GPAはやはり3.0以上が必要である。日本の学校図書館ガイドラインと類似して,図書館学関連科目を共有化している点が興味深い。

これらの学位取得後のキャリアとして想定されている職種は幅広い。アーキビスト,アーカイブ技術者,メタデータスペシャリスト,文学コレクションキュレーター,デジタルサービスライブラリアン,公文書専門家,図書館システム管理者,アウトリーチライブラリアン,公共図書館員,学校図書館メディアスペシャリスト,医学図書館員などが示されていた。

  1. https://www.usnews.com/best-graduate-schools/top-library-information-science-programs/library-information-science-rankings ↩︎
  2. https://ci.uky.edu/sis/academics/library-science/degree-requirements ↩︎
  3. https://ci.uky.edu/sis/academics/library-science/degree-requirements/masters-library-science ↩︎
  4. https://ci.uky.edu/sis/academics/library-science/degree-requirements/school-librarian-program ↩︎