コロンバス・メトロポリタン図書館 本館
コロンバス・メトロポリタン図書館(CML)は,基本的にフランクリン郡をカバーしている1。分館を含めて23館である。ここは,その中心館である。正面側の建物はクラシカルな建物である2。この建物は1907年にカーネギー図書館として建てられたものである。1991年にはその背後に近代的な建物が増築されており,さらに2015年に大規模な改修が行われた。裏側のトピアリー公園から眺めると,建物はガラス張りの近代的な外観となっている。ウィキペディアによると,この改修により収容能力は100万冊から30万冊に減少したとされている。これは,ウェブ等の発展を踏まえての再配置である。実際に館内を見て回ると,図書の冊数はそれほど多くない印象を受けた。
入口を入ると正面に「A thriving community where wisdom prevails」と掲げられている。これは図書館のビジョンである。館内の何カ所かで,白い壁にプロジェクターで映像が投影されていた。中央入口の左側には「Celebration of Learning」というコーナーがあり,多くの人物の写真が壁に飾られている。この取り組みは1993年から行われている。コロンバスにおける学びやその成果を祝う場として位置づけられている。詳しくは後述する。旧館2階は「パトリック・ロシンスキー・ギャラリー」と呼ばれ,絵画などの展示が行われていた。ロシンスキー氏は2002年から2022年までCEOを努めた人物である。ここから新館の2階へ直接移動できる。
新館の1階入口部分は,3階まで吹き抜けになっており,広々としている。1階は図書の展示,児童室,カフェ(カーネギーズ・カフェ),アメニティグッズを販売するコーナーなどがある。カフェは友の会による運営である3。カフェの横の壁にはアンドリュー・カーネギーの人型が描かれており,彼と身長を比べられるようになっている。決して大きな人物ではなかったことが分かる。「小さな巨人」である。
1階入口で目立っていたのが,クリスマスシーズンということもあって展示されていた「ハンティントン・ホリデー・トレイン」である。雪山の中を機関車が走る巨大なジオラマで,子どもたちは大喜びであった。児童室には資料だけでなく,レゴや遊具,汽車のジオラマなどがあり,読書以外にも楽しめる要素が数多くあった。
2階はフィクションが中心で,その他にワールドランゲージ,ビジネス&ノンプロフィット・リソース・センター,CD,DVD,オーディオブックなどが排架されている。NPO支援に関するコーナーは,シンシナティ・ハミルトン・カウンティ公共図書館でも目にした。最近では図書館がこうした組織を支援することが増えているのかもしれない。2階と3階は,閲覧席が充実しており,ソファ席も多い。書棚は3~4段の低いものが基本で,館内の見通しが良い。書棚の色は白で統一されている。奥にはTEEN向けのスペースがあり,図書は少なめで,ソファなどが多く並んでいた。「Reading Room」と呼ばれるスペースでは,通常は一人用の机が並んでいるが,頻繁にイベントも開催されている。
館内で印象的だったのは,図書館スタッフのホスピタリティの高さである。カウンターは基本的にスタンディング形式で,一人または二人が常駐しているが,近くを通ると多くの場合,にこやかに「Hi!」と声をかけてくれる。
3階はノンフィクション中心のフロアである。奥には充実したレファレンス資料が並んでいた。請求記号はDDCとカッター・サンボーン著者記号表による著者記号が用いられている。ハードカバーにはビニールカバーが付けられているが,それ以外の資料には付いていない。RFIDは導入されておらず,主題を示す棚差しは最低限に抑えられている。楽譜,投資,自動車修理といった分野の図書も,このフロアにまとめて配置されていた。
同じく3階には地域資料のコーナーがあり,ファミリーヒストリーと系図学(geneology)の図書が別々に排架されていた。各州の地域資料が並び,系図学関連のものにはシールが貼られている。コロンバスやフランクリン郡,オハイオ州内,オハイオ州全体,全米各州に関する資料も充実していた。それらの多くは系図に関わるもので,それらには背表紙にシールが貼られている。特に植民の関係でオハイオより東側の州の資料が充実しているとの説明があった。地域の新聞や地図などは,マイクロ化されていたり,特別なケースに収められていた。
地下は通常は職員専用スペースであるが,特別に見学させてもらうことができた。1871年以降のコロンバス・ディスパッチ(The Columbus Dispatch)は鉄の柵で厳重に保管されている。それらのデジタル化も進められていて検索が可能である。興味深かったのはOCRの精度に関する話である。古い資料,または装飾的なフォントの資料は読み取りが必ずしも良くないという。また,コロンバス周辺にはドイツ系移民が多く住む地域があり,それらの資料のテキスト化には苦労が多いとのことだった。
地下室の別の部屋には寄贈を中心とした貴重資料が多く置かれていた。新聞社から寄贈された写真コレクションなども充実している。これらは保存用ケースに入れられ,その中でフォルダごとに整理されていた。行政資料の寄託も受けていた。デジタル化作業は3階のデジタルハブで行われており,ボランティアの支援も受けながら進められている。デジタルアーカイブ「My History」の収録件数は200万件を超えている4。CMLは,アメリカデジタル公共図書館(DPLA)のサービスハブの一つであるオハイオ・デジタル・ネットワーク(ODN)に参加しているため5,CMLの資料はDPLAを通じても閲覧することができるようになっている6。
興味深かったのは,毎年実施されている募金イベント(Celebration of Learning)である7。開催主体はコロンバス・メトロポリタン図書館基金である。この基金は,図書館の活動について,特に新たな取組を財政面から支えることを目的としている。このイベントを通じて,ウェブページによれば,2025年は,1日で90万ドル(約1億4千万円)以上を集めたとされている。今年は11月7日(金)に,本館で開催された。当日は18時からカクテルレセプションが行われ,19時からは著名な作家であるAnn Patchett氏の講演会と地域の生涯学習の取組に貢献のあった人々の表彰が行われた。20時からはディナー,21時にはサイン会が開かれ,22時に終了という流れである8。
寄付者は寄付額に応じて,PRESENTING SPONSOR,PLATINUM SPONSORS,GOLD SPONSORS,SILVER SPONSORSなどにランク付けされている。2025年に最も高額の寄付を行ったのは,研究機関であるBattelleであった。イベントで集められた資金は,すべてコロンバス・メトロポリタン図書館基金に寄付されている。









NYPL スタブロス・ニアルコス財団図書館(SNFL)
ブライアント公園にあるニューヨーク公共図書館本館(スティーブン・A・シュワルツマン・ビルディング)を訪問したが,単なる見学では限定的にしか館内を見ることができなかった。訪問時,ちょうどクリスマス休暇と重なっていたためか,多くの観光客が訪れており,観光地化していた。こうした人々が図書館に流れ込んできては,研究図書館としての機能は維持できない。観光客が利用できるところを限定するのはやむを得ない。
その斜め向かいに位置しているのが,タブロス・ニアルコス財団図書館(SNFL: Stavros Niarchos Foundation Library)である9。本館が研究志向であるのに対し,こちらは市民一般の利用を前提とした建物である。本館と比較してこちらは観光客はほとんど来ていない。通常の貸出機能を持ち,また,かなりの蔵書規模を備えた分館である。延床面積は約16,000㎡で,収容能力は40万冊とされている。なかなか見ない「分館」である。
この建物は,もともと百貨店として建設され,その後ミッドマンハッタン図書館として利用されてきた。それを大規模に改修し,2021年にスタブロス・ニアルコス財団の支援(5,500万ドル)を受けて現在の姿となった。新しい図書館と言われても気づかないほど,徹底的な改修が行われている。現在はLEED認証を申請中とのことなので,環境への配慮もされている10。
入口の警備は厳重で,鞄の中を警備員にチェックされる。各フロアの中央付近にはカウンターがあり,職員が常駐していた。2階以上にはPCが設置され,木材を活かした閲覧席も多く見られた。窓際にも閲覧席があり,席数は豊富である。それでも訪問時にはほぼ埋まっている状態であった。図書館は地下1階から7階まである。各階には,図書や書店,図書館をモチーフにした大きな絵画等が飾られている。
建物は5thアベニュー側とマディソンアベニュー側で構造が異なる。1階から3階は構造がほぼ共通している。マディソンアベニュー側には1M(Mezzanine),2M,3Mといった中二階が設けられており,構造は複雑であった。基本的に5thアベニュー側のフロアは広く,閲覧席,PC席(10〜15台程度),カウンター,プログラム用の部屋などがあり,書架は低めである。マディソンアベニュー側との間には吹き抜けがある。マディソンアベニュー側の書架は中二階のところも含めて5段から6段と高い。ここは,書架がコの字型(Perimeter Shelves)で,その内側に両面の一連書架が置かれている。図書の順番は,コの字の外周から中の書架に行き,次のコの字へとDDC順に並んでいた。
地下1階は児童(Children Center)とTeen(Teen Center)のフロアである。児童コーナーには,絵本,祝日の図書,Early Chapter Books,多言語図書,ヤングリーダーズ向け資料,子ども向けフィクション・ノンフィクション,シリーズものなどがあった。Teenコーナーには,フィクション・ノンフィクションに加え,グラフィックノベルもある。このフロアにはほかに,レコーディングスタジオ,メディアラボ,スタディールーム,プログラムルームもあった。カレッジ&キャリアのコーナーもあり,SAT,ACT,APといった大学進学用問題集が並んでいる点は,他の分館と共通である。興味深かったのは,1階から降りてくる階段を活用したコミュニケーションコーナーで,「どこの大学を目指す?」という問いに対し,利用者が付箋で大学名を書いて貼っていた点である。中にはハーバード大学の名前も見られた。
1階には新刊,予約資料,雑誌が配置されていた。パズルが置かれた机もあり,熱心に取り組んでいる利用者がいた。2階から4階の5thアベニュー側は,2階がフィクションと大活字本,3階がフィクションのうちサイエンスフィクション,ファンタジー,ミステリー,アーバン,ロマンス,グラフィックノベル,4階がレファレンス資料と多言語コレクションである。多言語コレクションは45言語,約5万点とされている11。マディソンアベニュー側の1M階にはDVD,CD,オーディオブックがある。DVDが大部分を占め,CDは非常に少なかった。2階から4階(2M,3Mを含む)までは,ノンフィクションがDDC順に排架されている。以上のコレクションは「マーロンファミリー貸出コレクション」と呼ばれている。
書架にはB&Tと書かれた赤いシールが貼られた図書も見られた。これはベイカー&テイラー社からレンタルで入手している資料である12。一定期間経過後は基本的に返却される。ただし,同社の事業閉鎖の影響で,「レンタル」された図書の扱いは流動的になっているようであった。フィクションに限らず,ノンフィクションにも同様の図書が見られた。また,この図書館でもコロンバス・メトロポリタン図書館同様に複本が多かった。フィクションでは5冊程度が同一書架に並んでいることも少なくなかった。なお,ベイカー&テイラーの閉鎖について,動向がこちらで整理されている13。寡占のリスクは政府文書で指摘されていたが,日本も他人事ではない。
5階はトーマス・ヨセロフ・ビジネスセンターである14。これは,かつての科学・産業・ビジネス図書館(SIBL)の機能が移転したものである。ビジネス関連図書が並んでいる。リサーチコレクションと貸出コレクションに分かれている。データベース用のPCもあった。奥にはアドバイザリー・ルームが5室ある。訪問時には,スタッフが常駐している部屋と,Zoom対応と書かれた部屋の両方が見られた。
6階は成人教育センター(パスキュラーノ学習センター)である15。第二言語話者向けに難易度が調整された図書のシリーズが並んでいる。これらの図書の音声はダウンロード可能である。このセンターで提供しているプログラムは幅広い。英語の読み書き,テクノロジー,キャリア関連などが見られた。最近のプログラムを見ると,WordやExcelといった基本的なソフトウェアから,Pythonなどのプログラミング言語,Figmaといったデザイン系ソフトウェアの講座までテクノロジー系が多かった。
7階はイベントセンターである。Library Café が併設されているが,2026年1月1日で営業終了とのことであった。訪問時もイベントが予定されており,多くの利用者が待っていた16。映画上映や著者講演会など,さまざまな文化的プログラムが提供されている。屋上テラスもあるようだが,今回は訪問していない。
本館が閉架制を基本とし,研究機能を中心にしているのに対し,SNFLは通常の貸出機能を担う図書館であった。その意味では,こちらは一般市民向けの図書館である。その中で,ビジネスセンター,成人教育センター,イベントセンターがここに設けられている点は示唆的である。ニューヨークにおいて一般市民を対象とする場合,ビジネス,リテラシー,テクノロジー,キャリア支援,文化といった分野が特に重要な役割・機能として認識されていることがうかがえた。



NYPL ニュー・アムステルダム図書館
ニュー・アムステルダムは,ニューヨークの起源となった地域である。この図書館はニューヨーク公共図書館の分館の一つで,2021年に改修されたばかりである17。比較的コンパクトなワンフロアの図書館である。カウンター付近には予約資料(Holds)がまとめられており,その近くには「ニュー・アメリカンズ・コーナー」が設けられていた。これはマルベリー・ストリート図書館でも見られたものである。ニューヨーク公共図書館(NYPL)の分館は,比較的共通したコーナーなどが設けられていることが多い。館内にはコミュニティ掲示板も設置されていた。
入口を背にすると,右側がフィクション,奥がTEENコーナー,その左がノンフィクション,一番左が児童コーナーという配置である。大活字本やDVDもあった。中央にはPCコーナーがあり,10台ほどのPCが設置されていたが,ほとんど使用中であった。一番奥には閲覧コーナーがあり,こちらも多くの利用者が座っていた。暖をとりに来ている人や,スマートフォン利用を目的に来館している人も見られる。
フィクションは,通常のものに加え,ロマンス,ファンタジー,サイエンスフィクション,ミステリー,アーバンなどのジャンルに分かれている。書棚には黒板素材のプレートがはめ込まれ,そこに分類番号の範囲がチョークで書かれており,少しおしゃれな印象である。TEENコーナーではグラフィックノベルの所蔵が比較的多く,その中でもMangaは2棚分あった。試験問題集が置かれている点も,他の分館で見たのと同様であった。ノンフィクションはDDC順に排架されており,各棚には図書館員による図書の推薦コメントが掲示されている点がおもしろい。これは,NYPLの「スタッフピックス」を再利用している18。児童コーナーには,ヤングリーダーズ,アーリーリーダーズ,グラフィックノベル,絵本,多言語図書などがあった。
興味深かった点をいくつか挙げる。まず,「Understanding the Migratory Crisis: An Oral History of New Migrants in Lower Manhattan」というこの分館独自の展示である19。近年話題となっている移民に焦点を当て,当事者14人にインタビューを実施し,彼らがなぜ危険を冒してアメリカに来たのか,どのように様々な情報を入手したのかなどを聞き取っている。そのインタビューの抜粋が館内に掲示されていた。それを読むことで,メディアでは伝わりにくい当事者の生の声に触れることができる。口承もまた,図書館にとって貴重なコレクションとなり得ることがよく理解できる事例であった。
次に,「Best Books of 2025」である20。これはNYPL全体の取組であるが,ライブラリアンなどが選出するおすすめ図書のリストである。大人,ティーン,子どもといった対象別に示されている。ティーン向けコミックでは,泥ノ田犬彦氏やたかせうみ氏の著作が掲載されていた。こうしたリストは,利用者の図書選択の参考として有益であろう。図書館では,これらの図書の一部について,電子書籍のアクセスフリーライセンスを取得し,年末まで予約待ちなしで提供している。さらに,スタブロス・ニアルコス財団図書館(SNFL)では物理図書を無料で提供する取組も行っている。
最後に,この分館を含め,NYPLでは新しいOPACを2023年から提供している21。変更点としては,研究センターでのみ利用できる資料などを検索結果から除外した点があるが,より重要なのは,一覧表示において,図書,電子書籍,オーディオブックなどを一つの資料としてまとめて表示するようになったことである。FRBR的に言えば,「作品」を基準として一覧画面では1件にまとめて表示しているといえる。日本では,そもそも物理図書と電子書籍の目録が統合されていないという課題があるが,今後統合が進めば,同様の表示が求められることになろう。



NYPL マルベリー・ストリート図書館
ニューヨーク市マンハッタン区にあるニューヨーク公共図書館(NYPL)の分館の一つである22。ソーホー地区に位置している。ニューヨーク市は5区に分かれているが,そのうちマンハッタン区,スタテン島,ブロンクス区の3区は共通の図書館財団によって運営されており,これらがニューヨーク公共図書館(NYPL)と呼ばれている。NYPL全体では92館を擁しており,なかでもスティーブン・A・シュワルツマン・ビルディングはよく知られている23。
この分館が入っている建物は,もともとチョコレート工場として建てられたものであり,現在は1階,地下1階,地下2階を図書館として使用している。2007年に改修され,図書館として開館した。この建物は,かつてデヴィッド・ボウイが住んでいたことでも知られている24。
入口を入ると,「コミュニティブックカート」と書かれたスペースがあり,図書の販売が行われていた。すぐ横にはカウンターがある。この階には,新刊,雑誌,コミュニティ情報,ブラウジングコーナー,ローカルヒストリーのコーナーなどがあった。ニューヨーク公共図書館では「Best Books of 2025」を選定しており,そのことを知らせるポスターも掲示されている25。また,「Celebrating the Schomburg Center for Research in Black Culture」というコーナーも設けられていた。これは,NYPLの研究図書館の一つであるションバーグ黒人文化研究センターを中心とした取組の一環である26。
コミュニティ関連の情報としては,「New American Corner」があった。ここでは,新しくアメリカに来た人たちに必要な情報がまとめられている。そのほか,「Save Chinatown Soho Noho」に関連する情報も掲示されていた。これは,図書館のある地域の再開発計画に対し,社会的多様性の喪失や住宅価格の高騰を招くとして反対運動が展開されていることと関係している27。さらに,フードパントリーの案内やLGBTQ関連の情報も見られた。ローカルヒストリーのコーナーでは,周辺地域の昔の写真や図書が展示されていた。
地下1階には児童図書館があるが,今回は見ていない。地下2階はTEENおよび一般向けのフロアである。TEENコーナーは比較的広く,地下にあるためか,やや秘密基地のような雰囲気があった。中央付近には「TEEN Artcart」が置かれ,はさみ,画用紙,ペンなど,創作活動のための用具が揃えられている。ボードゲームやクラフトキットもあり,定期的に「ティーンアート&クラフト」という工作プログラムが開催されている。おもしろい点として,小さな袋入りのお菓子が置かれており,「Free」と書かれていた。小腹が空いたときに自由に食べてよいのであろう。PCは10台ほどあった。Mangaは比較的充実している。日本への関心も高いようで,Cool Tokyo GuideやLearn Japanese with Mangaといった図書が表紙を見せる形で展示されていた。
一番奥にはHomework helpのコーナーがある。このコーナーには,GED,AP,SAT,TOEFLなどの問題集が充実していた。この分館自体では開催されていないが,ニューヨーク公共図書館では学期中に「NYPLアフタースクール」を平日に実施しているところがあり,10代の若者に宿題の支援をしてもらったり,STEAM関連のアクティビティに参加したりできる28。また,いわゆる「スナック」も提供されている。Homework Helpの右側には,College & Careersのコーナーが設けられていた。
さらに奥には大人向けの部屋がある。利用者は多かったが,照明がやや落とされており,少し暗い印象であった。部屋の壁に沿って書棚が並び,一般的なフィクションのほか,ロマンス,ミステリー,サイエンスフィクション,古典,中国語のフィクション,ニューヨークを舞台にした物語などがあった。中国語のコレクションがあるのは,近くにチャイナタウンがあることと関係しているのであろう。PCが12台設置されたコーナーもあった。
ノンフィクションはDDC順に排架されている。複本は多くても2冊程度で,あまり置かれていなかった。比較的小さな分館では,複本はあまり置かれていないようである。RFIDは貼付されていない。請求記号は,フィクションがRomance/著者の姓,ノンフィクションがDDC/著者姓の頭文字1文字であった。なお,ウェブページによると,この図書館の蔵書数は約3万5千点である。
興味深かった点をいくつか挙げたい。まず,College & Careersコーナーである。NYPLでは,大学進学やキャリア支援に関する資料提供に力を入れている。スタブロス・ニアルコス財団図書館(SNFL)でも,目指す大学名を付箋で貼ってもらう取組が行われていた。このように,大学進学や高校卒業後の就職に対して,図書館がより踏み込んだ支援を行っている点が印象的であった。ウェブを見ると,個別のカウンセリングをオンラインや対面で実施しており,大学・キャリア準備に関する一般的な情報提供,求人情報やサマープログラムの検索と申請,履歴書や出願書類の作成支援なども行われている。学校でもこうした情報にアクセスできるとは思われるが,図書館が積極的に担っている点は興味深い。
もう一つは,学校向けのデジタルアーカイブ活用資料である29。近年,公共図書館でもデジタルアーカイブの提供が増えているが,その活用方法まで示す例は必ずしも多くない。ニューヨーク公共図書館では,テーマを明示し,対象学年や授業で使えるワークシートも用意している。テーマとしては,ニューヨーク市における豚の活用,奴隷制度廃止,検閲など,興味深いもの,現代にも通じるものなどがあった。デジタルアーカイブは公開するだけでは利用が進みにくいことが多いが,利用しやすい形で提供することで,貴重な資料が有効活用されると感じた。
最後に,ベイカー&テイラーからのレンタルについて触れておきたい。NYPLの書棚を見ると,背表紙に赤字で「B&T」と書かれた図書が見つかる。これは,ベイカー&テイラー社からレンタル形式で借用している図書である30。図書館では,人気のある図書をレンタルとして導入し,一定期間経過後に返却する。この方式により,購入費を抑えつつ,廃棄に伴う管理費も減らすことができるとされている。予約が増えればレンタル冊数を増やし,予約が減れば返却するという運用であり,購入は一点ずつではなく,期間と冊数をあらかじめ決め,利用状況を見ながら管理しているようであった。






ニューアーク公共図書館 本館
ニューヨーク市のすぐ近くにあるニューアーク市の図書館である31。ニューアーク市はニュージャージー州エセックスカウンティにあり,人口は約32万人である。図書館は全部で8館あるが,そのうち1館は閉鎖中である。
本館は1899年に開館した歴史ある建物である。入口を入ると,4階まで吹き抜けになった見事なアトリウムがある。ここでは新しい図書を展示していた。図書の背には年月を示すシールが貼られている。ここにはインフォメーションデスクがある。総合カウンターのような位置づけであろうか。このフロアは,左側に児童室,右側にTEEN向けの部屋がある。向かいにはPCが並ぶ Victoria Technology Center があり,利用者が比較的多く利用していた。
右奥には,スペイン語の資料を所蔵する部屋がある(Sala Hispanoamericana)32。かなり充実したコレクションである。Friends the Hispanic Research Information Center(HRIC)と連携した取組とのことである。そのさらに奥には Made@NPL スタジオがあり,訪問時には大きな音楽が聞こえていた33。レコーディングスタジオからであった。ほかにも3Dプリンターやレーザーカッターなどの設備があり利用者が一人利用していた。
階段で2階に上がると,カウンターのある閲覧室がある。ここにはフィクションとノンフィクションの両方が配架されている。書架は5段で比較的高い。全体にこの図書館は,施設・什器がクラシカルである。PCや閲覧席もある。カウンター横にはレファレンスブックが中二階にあるが,職員のみアクセスできる。さらに奥にも大きな閲覧スペースが続いており,図書館の奥行きに驚かされる。左右には積層書架があり,左側には比較的人気のある資料が多く,貸出用資料のような位置づけのようであった。右側は比較的古い資料も含まれており,書庫的な役割を担っているように見える。ここも利用者は自由にアクセスできる。こちらはなんとノンフィクション中心の積層書架が6階分ある。意外と利用者がいるのがおもしろい。かなり古い図書に自由にアクセスできることも関係しているのかもしれない。
2階には,ニューアーク出身の著名な作家である Philip Roth のパーソナル・ライブラリーがある34。テーマごとに11の展示ケースが用意され,中には校正原稿,図書への書き込み,オバマ大統領から授与された米国人文科学勲章,書簡,子どもの頃の帽子,各国語に翻訳された著作,タイプライターなど様々なものが展示されていた。ロス氏の部屋は,実際の書斎の蔵書配置を忠実に再現している。兵役中の怪我により立って執筆をしていたが,その際,使用していた椅子も展示されていた。こぢんまりとした空間ではあったが,ロス氏の功績がよく伝わるよい展示であった。
興味深い点を二点挙げる。一つ目は,この図書館は,あの「ニューアーク式」で知られている図書館である35。ニューアーク式は,かつてこの図書館の館長であった John Cotton Dana によって考案されたと言われている36。積層書架にある古い図書を見ると,当時のブックポケットやカードがそのまま残っているものがある。そこには返却日と利用者番号がスタンプで押されていた。こうした装備は1970年代頃まで確認できた。図書館員によれば,その後「ペーパーシステム」(おそらくブラウン式)に移行し,さらに図書館システム(ILS)による処理へと変更されたという。多くの図書ではニューアーク式のブックポケットの上に Date Due の紙が貼られていた。とはいえ,どういうわけか,ニューアーク公共図書館が紹介するDana氏の功績では,このことには触れられていない。
もう一つの点は,最近の図書館長の解雇である37。2025年8月,図書館委員会は,多数決により当時の図書館長(Director)を解雇した。解雇理由は公式には明らかにされていない。新聞報道によると,閉鎖中であるスプリングフィールド分館の改修をめぐり,十分な契約関連資料が理事会に提供されていなかったこと,また,労働組合(AFSCME Local 2298)との長期にわたる対立や,新たな契約案について理事会に十分な情報共有がなされなかったことなどが問題として指摘されている。不確かなことが多いが,少なくとも改めて分かるのは,図書館委員会が図書館長を解雇する権限を持っている点である。






QPL ブロードウェイ分館
クイーンズ区のクイーンズ公共図書館(QPL)は,ニューヨーク公共図書館(NYPL)とは別の設置主体による公共図書館である38。図書館に加えてテクノロジーラボなど全部で66の施設を持つ。これに加えて,移動図書館とブックバイクも運営している。移動図書館には約5,000冊の資料が積まれているほか,Free WiFi,12台のノートパソコン,プリンター,ゲーム,自動貸出機などが搭載されている。車椅子用の昇降機もある。ブックバイクは,日本で言えばクロネコヤマトが自転車に大きなかごを付けて配達をしている様子に近い39。建物の図書館や移動図書館では十分に届きにくいコミュニティにサービスを持ち込む役割を担っている。日頃,図書館とあまり接点のない人々に,図書館の活動を知ってもらうための取組である40。
ブロードウェイ分館は,2024年にリニューアルされている41。館内は3つのフロアがあり,地下がコンピュータセンター,1階が大人向け,2階が児童向けである。1階には受付カウンターとライブラリアン用のカウンターが分かれてあった。新刊,ベストセラー,フィクション,ノンフィクション,ロマンス等,多言語図書,雑誌・新聞,DVD,CDなどが並んでいる。新刊図書の背表紙には年月が表示されており印となっている。また,RFIDタグが付けられていた。NYPLで見かけるようなB&Tの赤いシールが貼られた図書は見当たらなかった。
多言語図書の中には日本語の図書もあり,300冊から400冊ほど所蔵されていた。英語学習用の参考書や,大学受験用のテスト問題集も用意されている。入口左側にはTEENコーナーがあり,訪問時には5〜6人ほどの東アジア系の女子生徒が楽しそうに話をしていた。フィクションやグラフィックノベルが置かれており,日本のマンガも多く排架されていた。
館内には8人用の閲覧席が3つあり,利用者が作業をしていた。鉄道のジオラマも設置されていて,子どもがじっと見入っていた。NYPDと同様に,USシチズンシップに関するパンフレットやリーフレットも置かれている。それらはアメリカ市民権取得を支援するための案内資料である。入口付近では「冬のフードドライブ」という取組も行われていた。家庭にある缶詰などを持ってきてもらう。これはQPL全体の取組で,City Harvest という団体と連携して実施されている。
地下にはPCが30台設置されているが,訪問時に利用されていたのは3台のみであった。そのほかにクラスルームやミーティングルームもある。2階は今回は見ていない。プログラムは多彩で,トランプのブリッジを楽しむ会,バーチャルで行うクリエイティブ・ライティングの会,韓国書道教室,新年に向けてアファメーションジャー(ポジティブフレーズの書かれた紙の入った瓶)を手に入れ,毎日を充実させようといった企画が見られた。
ニューヨーク公共図書館というと,ニューヨーク市全体をカバーする図書館というイメージを持ちがちだが,クイーンズ公共図書館は別の設置主体によって運営されている。ミッションやビジョンも別々で,OPACも共有していない。プログラムも基本的に独自に展開している(一部事業で協力)。一方で,ニューヨーク市による図書館予算の影響は同様に受けるため,その点では連携が見られる。NYPLの図書館で,「図書館はみんなのもの 図書館の予算削減反対」というポスターが掲示されていたが,それは3つの図書館が連名で出しているものであった。ブロードウェイ分館は,全体にこぢんまりとしているが,地域になじんだ図書館という印象を受けた。



サンフランシスコ公共図書館 本館
市の中心部にあり市役所や博物館,劇場などが並ぶエリアにある42。入口を入るとすぐに,図書の販売コーナーがある。販売されているのは市民から寄贈された図書で,運営は友の会が担っている43。多くの人が立ち寄り,賑わっていた。少し進むとアトリウムがある。下の階にはカフェとギャラリー(Jewett Gallery)がある44。訪問時,ギャラリーでは「生き続けるタトゥーの伝統:アメリカの入れ墨とその先」という展示が行われていた。日本の入れ墨文化がアメリカでどのように受け入れられ,変容していったかが多くの写真とともに紹介されていた。
1階にはカウンターがある。周辺には新刊のフィクションが展示されている。また,奥にはフィクションが排架されている。ジャンルごとにも排架されており,アーバン,ロマンス,ミステリーなどが独立した棚を持っていた。「ラッキー・ディ・フィクション」というコーナーもある。これは,「予約不可,貸出延長不可,待たずに借りられる」と書かれている。大量の予約のついた図書をすぐに借りられるようにしているものである。図書にはICタグが貼付されており,自動貸出機も利用できる。OPACはBiblioCommonsが使われている。他に予約図書,LGBTQフィクション,大活字本,グラフィックノベルもある。奥にはオーディオビジュアルセンターがあった。ここには,CD,DVD,オーディオブック,多言語映画がかなり充実している。レコードもおよそ1,500枚ほどあった。最近は視聴覚資料を縮小している図書館も少なくないが,ここは今でもしっかり収集している印象を受けた。
2階の児童コーナーはかなり広い。入口付近ではビジュアルアーティストのAjuan Mance氏の特集がされていた。コロンバス・メトロポリタン図書館のように,Holiday Trainのジオラマも展示されていた。ボタンを押すとNゲージの機関車が走る。ジオラマは11月以降の恒例行事となっているようである。蔵書としては,児童向けのフィクション,ノンフィクション,グラフィックノベル,多言語図書,祝日コーナー,音声付き図書,ボード絵本,絵本,DVD,シリーズ物などが並んでいる。PCは10台設置され,3人の子どもがマインクラフトをしていた。ストーリーテリングルーム,教育的意図のある遊具のあるコーナーもある。北米には,児童コーナーに子どもたちが遊べる場所を設ける図書館が見られる。そうしたところには,普通の滑り台があったり,創造性を育む遊具や,ここのように教育意図を持つ遊具を置く図書館が見られる。同じく2階にはTeen Centerがある。このことは後述する。
3階には,人文・社会科学分野のノンフィクションと多言語図書が並ぶ。ノンフィクションの著者記号はカッター・サンボーン方式である。特別のコーナーとして,James C. Hormel LGBTQIA Center,アフリカ系アメリカ人センター,中国人センター,フィリピン系アメリカ人センターなどのコーナーがある。これらのコーナーに職員は常駐していない。フロア中央にはカウンターがあり,レファレンス資料も充実している。これは4階も同様である。ここには,Contemporary Authors,Dictionary of Literary Biography(年鑑/トピック/ジャンル等),Academic American Encyclopedia,Encyclopedia Britannicaなどがあった。Page Deskという閉架資料の出納窓口もある(4階にもある)。
この階では,訪問時,慰安婦問題に関する展示が行われていた45。展示には,「SFPLと関係のない団体が発表した展示会で表明された見解や意見は,必ずしもSFPLまたは市の公式の方針や立場を反映するものではありません」という注意書きも添えられていた。
4階は芸術・音楽,ビジネス,テクノロジーの蔵書が中心である。蔵書を見ると,1900年代初頭の図書もある。楽譜,キャビネットに入った写真コレクションも見られた。特別なコーナーとしては,スモールビジネスセンター,ジョブ&キャリアセンターなどがあった。後者の蔵書としては,キャリア開発(650.1),自己啓発(158),職業(331)などの一般書が多かった。こうしたコーナーのコレクション自体はそれほど目立つものではないが,関連情報を入手できる点で役立ちそうである。
5階には政府情報センターがある46。この図書館はサンフランシスコ市,カリフォルニア州のデポジットライブラリーとなっている。また,1889年から,連邦政府の寄託図書館の指定も受けている。ここには,注釈付き合衆国法典であるUnited States Code Annotated,制定された連邦法であるUnited States Statutes at Large,連邦規則集であるCode of Federal Regulations,カリフォルニア州法を集めたAnnotated California Codesなどが排架されていた。
また,DIYデジタルラボでは,ビデオテープ,8mm,3.5インチFD,文書,写真,スライド,ネガ,カセットテープなどをデジタル化できる設備が整っていた。Bridge at Mainというコーナーには,リテラシー支援を中心としたインクルーシブな取組が行われている。テクノロジーのスキル,ESL個別指導,オンライン高校卒業資格プログラムの提供,刑務所経験者の支援,退役軍人向け情報提供(雇用や健康等)など多岐にわたる。他に,Bridge Collectionというコーナーには,学習に困難を抱える児童生徒の支援に関わる図書が置かれていた。
6階のスカイライトギャラリーでは,「記憶のテクスチャー」と題されたベトナム人ディアスポラの展示が行われていた。奥には「サンフランシスコ歴史センター&写真コレクション」がある。少し滞在をして調査をしたが,利用者が頻繁に訪れていた。
興味深かったことを2点述べる。1点目はティーン・コーナーである。ここには,TEENコーナーとして「フルセット」と言ってよいほど,充実していた。コレクションでは,日本のコミックやフィクションが充実している。入り口近くには,メーカースペースがあり,3Dプリンタやミシン,クラフトや絵画,Tシャツ印刷,さらには料理までできる47。スタジオもある。スタジオAにはギター,ドラム,キーボードなどの楽器,アンプ,マイク,ミキサーの録音機材,スタジオBにはグリーンスクリーンなどがあり,映像やポッドキャスト制作が可能である。PS5,SWITCH,XBoxといったゲーム機が遊べるコーナー,フラット・ドキュメントスキャナーなどデジタル化に役立つコーナー,PCの貸出設備などがあった。ビーズソファーのある「まったり」できる部屋も奥にあった。イベントも充実しており,レコーディングスタジオのオリエンテーション,ACT(大学入学適性試験)対策,ホットチョコレートの試飲会などが企画されていた。
もう一つは,「歴史センター&写真コレクション」である48。ちょうど,大叔父がサンフランシスコ近郊で100年以上前に亡くなっていたこともあり,その亡くなった場所や,どのような生活をしていたのかを調べたいと思って訪れた。カウンターの図書館員に相談すると,すぐにいくつかの情報を提示してくれた。そもそもアメリカでは,家系調査のための情報整備が進んでおり,有料・無料の多くのデータベースが存在する。図書館では,それらに加え電子化されていない紙資料も提供している。結果的に,大叔父が,いつアメリカに来たのか,どのような職業に就いていたのか,どこに住んでいたのか,誰と暮らしていたのか,いつどこで亡くなったのか,といったことが分かった。調査の中で,こうした情報はOCRをかけても必ずしも正確にテキスト化されるわけでないことも理解できた。元資料が判読困難であることも関係している。そのため,そのことを踏まえた探索が必要になる。その点,スタッフはそうした資料の特徴を踏まえた探索法を知っており,とても力になってくれた。






- https://www.columbuslibrary.org/ ↩︎
- https://en.wikipedia.org/wiki/Main_Library_(Columbus,_Ohio) ↩︎
- https://www.columbuslibrary.org/friends/cafe-locations/ ↩︎
- https://www.columbuslibrary.org/myhistory/ ↩︎
- https://ohiodigitalnetwork.org/ ↩︎
- https://dp.la/search?partner%5B%5D=Ohio+Digital+Network&provider=%22Columbus+Metropolitan+Library%22 ↩︎
- https://www.columbuslibrary.org/foundation/events/ ↩︎
- https://www.columbuslibrary.org/wp-content/uploads/2025/10/2025-Celebration-of-Learning-Event-Details.pdf ↩︎
- https://www.nypl.org/locations/snfl ↩︎
- https://www.nypl.org/about/locations/snfl/leed ↩︎
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- https://www.baker-taylor.com/library-solutions/books-av-content/book-leasing ↩︎
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- https://www.nypl.org/locations/snfl/yoseloff-business ↩︎
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- https://www.nypl.org/events/calendar?keyword=&target%5B%5D=ad&target%5B%5D=ya&target%5B%5D=cr&city%5B%5D=bx&city%5B%5D=man&city%5B%5D=si&date_op=GREATER_EQUAL&date1=07%2F03%2F2024&location=&type=&topic=&audience=&series=624633 ↩︎
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- https://nypost.com/2019/10/29/new-york-public-librarys-soho-branch-signs-new-lease-that-lowers-rent/ ↩︎
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- https://www.villagepreservation.org/advocacy/soho-noho-upzoning/ ↩︎
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- https://www.npl.org/main-library/ ↩︎
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- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%AF%E6%96%B9%E5%BC%8F ↩︎
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- https://www.tapinto.net/towns/newark/sections/essex-county-news/articles/lack-of-transparency-with-newark-public-library-financial-documents-continues, https://www.tapinto.net/towns/newark/sections/business-and-finance/articles/newark-public-library-staff-receive-new-contract-after-1-5-years-but-miss-40k-salary-mark ↩︎
- https://www.queenslibrary.org/about-us/queens-public-library-overview ↩︎
- https://www.queenslibrary.org/programs-activities/community-outreach/mobile-library ↩︎
- https://youtu.be/TDGjvYfDBos ↩︎
- https://www.queenslibrary.org/about-us/locations/broadway ↩︎
- https://sfpl.org/ ↩︎
- https://www.friendssfpl.org/ ↩︎
- https://sfpl.org/exhibits/2025/10/02/living-tattoo-traditions-american-irezumi-and-beyond ↩︎
- https://sfpl.org/exhibits/2025/09/26/80th-wwii-anniversary-remember-comfort-women ↩︎
- https://sfpl.org/locations/main-library/government-information-center ↩︎
- https://sfpl.org/teens/the-mix/makerspace ↩︎
- https://sfpl.org/locations/main-library/sf-history-center ↩︎