BLUEcloudによるILSの高度化

メルボルン周辺から「The mushroom tapes」という図書を Google 検索すると,検索結果の右側に表示されるナレッジパネルに,図書の概要とともに「図書を入手」という表示が現れる。ここには,Merri-Bek 市のOPACへのリンクが示されており,それをクリックすると,Merri-Bek のOPACの当該資料の検索結果画面が表示された。

通常,OPACの検索結果は,MARCがILSの内部データとして管理されているため,Googleの検索結果には表示されない。にもかかわらず,このようにナレッジパネルにOPACへのリンクが表示されるのは,MARCの書誌データを BIBFRAME に基づくリンクドデータ形式で外部に出力し,Googleが索引可能な形にしているためである。

この仕組みを実現しているのが,SirsiDynix のILS上で動作する BLUEcloud Visibility である1。BLUEcloud Visibility を用いることで,従来ILSの内部に閉じていたMARCデータを,ILSの外に向けて公開することが可能になる。これにより,Google 検索から図書館資料へ直接たどり着けるようになり,利用者にとっての発見可能性が高まることが期待される。

とはいえ,BLUEcloud Visibility は検索エンジン対策限定の仕組みではない。利用者向けインターフェースや業務インターフェースの改善を目的とした製品であり,専用端末に依存しないウェブベースでの業務利用を可能にするなど,図書館システム全体の利用環境を改善する機能も備えている。ILSとの関係ではBiblioCommons と似ているが,業務の仕組みも改善する点等,機能は大分異なる。

ビクトリア州ではLibraries Victoria が SirsiDynix のILSを導入しており,その中で BLUEcloud Visibilityを採用する図書館は増加している。現時点では導入館は24館とされている。Libraries Victoriaのウェブページでは,Libraries Victoria,SirsiDynix,EBSCOによる共同プロジェクトとして,この取り組みが紹介されていた2。ただし,Google検索でナレッジパネルに表示される図書館は,Libraries Victoriaに属する図書館に限られていない。SirsiDynix を単独で利用している図書館でも,BLUEcloud Visibility を導入している例があるようである。

  1. https://www.sirsidynix.com/bluecloud/ ↩︎
  2. https://libsvic.org.au/client/en_AU/default/?rm=LIBSVIC+NEWS0%7C%7C%7C1%7C%7C%7C0%7C%7C%7Ctrue ↩︎