オハイオ州には,Ohio Digital Library(ODL)という電子資料サービスがある1。電子書籍,電子オーディオブック,電子雑誌を共同で提供するもので,オハイオ州立図書館が運営している。ODLは,連邦政府のIMLSによるLSTA(Library Services and Technology Act)の資金を一部活用している。参加できるのは人口10万人未満の自治体の図書館で,これはオンタリオ州の取組と同様である。
2024年のデータによれば,ODLには180近い図書館が参加している。アクティブユーザーは34万人,年間の貸出件数は1,026万点である。予約(Holds)は545.7万点で,およそ半分強が予約をして利用されていることになる。最近のコレクションの規模は不明だが,2020年の報告ではタイトル数は19.7万点で,複本を含めた点数は48.9万点とされる2。かなり大規模である。
ODLに参加する図書館は,自館の資料費の5.5〜6%に相当する金額を負担する3。これは州立図書館によって一括管理され,電子資料の選書も州立図書館が行っているようである4。購入された電子資料はすべての参加館で共有される。仮に図書館がODLを脱退した場合でも,参加期間中に購入された電子資料はODLに残り,他館と共有され続ける。なお,各館が別途予算を用意し,自館用に資料を追加購入することも可能である。この仕組みもオンタリオ州のモデルと同じである。サービス導入にあたっては,利用者認証方法に対応したシステム整備が必要であり,職員向けの研修も実施される。
利用者はODLのウェブサイトにアクセスしてサービスを利用する。読み方としては,資料にもよるが Kindle,EPUB,ブラウザなどから選ぶことができる。なお,購入予算は一括してプールされるため,特定利用者の予約で優先されるといった仕組みはない。
日本のデジとしょ信州と比較して,購入資料全体にアクセスできる点などが似ている。一方で,参加資格が小規模自治体(図書館区)に限定されている点,負担方法の詳細(人口・資料費)は異なる。また,ODLは,連邦政府のLSTAを活用しているが,日本ではそうした国からの予算はない。コレクション規模が大きく貸出点数が多い点も特徴である。
- https://library.ohio.gov/libraries/library-programs-and-development/ohio-digital-library ↩︎
- https://dam.assets.ohio.gov/image/upload/library.ohio.gov/ohio-digital-library/annual-reports/OhioDigitalLibrary_Infographic2020.pdf ↩︎
- https://library.ohio.gov/libraries/library-programs-and-development/ohio-digital-library/membership ↩︎
- https://library.ohio.gov/static/ohio-digital-library/OverDrive%20Memorandum%20of%20Understanding%20-%20Jan%202023-Dec%202023.docx ↩︎