インディアナ州の図書館員の採用サイトを見ると,学歴や経験の欄に,ALA認定プログラムによるMLIS等と並んで,インディアナ州図書館員認定資格(Certification for Indiana Public Librarians)が求められていることが分かる1。インディアナ州図書館員認定資格は,単にLC(Library Certification)とも呼ばれる。インディアナ州では,MLIS以外に,LC(Library Certification)を持つことが求められ,多くの場合,これに経験を組み合わせた形で募集が行われている。このLCは法律に基づいて定められており,図書館職員の採用や待遇と密接に結びついている。ここでは,この資格制度の概要を確認しておきたい。
インディアナ州図書館員認定資格の概要は,州立図書館のウェブページに整理されている2。制度の根拠は,インディアナ州の図書館に関する州法IC36-12-11に基づく規則590 IAC 5である3。これにより,州内の公共図書館で専門的業務を行う職員は,州立図書館の認定を受ける必要があるとされている。対象となるのは,図書館長などの管理的職員に加えて,目録作成,レファレンス,蔵書構築,読書案内,児童・青少年向けサービスなどを,勤務時間の75%以上担う職員である。認定を受けた職員の情報はデータベースで公開されており,氏名やLCのレベルなどを検索できるようになっていた。
LCは,サービス対象人口の規模(Class A〜C)と職位(図書館長,分館長・部門長,専門職補佐)に応じて求められるレベルが異なる。例えば,サービス対象人口が4万人以上の図書館(Class A)では,分館長にLC4が求められる。LCは1から7まで設定されており,教育歴と実務経験によって区分されている。最も高いLC1は,MLSを有していることに加え,専門職として10年間以上の経験が要件とされている。一方,中間に位置づけられるLC4では,学士号に加えて,カレッジレベルの図書館学の単位を15時間以上修得していることが求められる。最も低いLC7は,高卒以上で,勤務3年ごとに図書館のマネジメントに関する州立図書館の研修を10時間受講することが要件となっている。認定の有効期間は5年間である。
この認定資格を維持するためには,能力開発の取組が必須とされている。能力開発についても州の規定があり,図書館教育単位(LEU:Library Education Unit)と呼ばれる専門的能力開発に取り組む仕組みになっている4。1LEUは基本的に1時間の受講で得られる。必要とされるLEU数は職位によって異なる。図書館長は100LEU,分館長・部門長は75LEU,専門職補佐レベルでは50LEUが求められる。研修のうち,事前に州から認証を受けた機関(認証プロバイダー)が提供するものは無条件で認められるが,それ以外は認められない場合がある。認証プロバイダーは非常に幅広く,多数存在している5。LEUの対象は研修に限られず,LIS分野の単位修得,図書館関係の委員会活動,論文執筆なども含まれている6。
日本の認定司書制度と比べると,日本図書館協会のような職能団体ではなく州法や規則によって制度が定められている点,ライブラリアンには継続教育が義務づけられている点,さらに職務内容と教育歴が明確に結びつけられている点が大きく異なる。一方で,研修以外に,委員会活動や論文執筆などを認めている点は共通しており興味深い。インディアナ州では,ライブラリアンは経験を積むだけでは足りず,学び続けることそのものが制度として強く求められている。
- https://continuinged.isl.in.gov/jobs/ ↩︎
- https://continuinged.isl.in.gov/certification/ ↩︎
- https://iar.iga.in.gov/code/2026/590/5 ↩︎
- https://continuinged.isl.in.gov/certification/policies-on-leus/ ↩︎
- https://continuinged.isl.in.gov/approved-leu-providers/ ↩︎
- https://www.law.cornell.edu/regulations/indiana/590-Ind-Admin-Code-5-3-4 ↩︎