ミシサガの図書館では,電子コレクションサービスとして複数のプラットフォームを提供している。その中に OverDrive によるサービスがある。OverDrive では電子書籍,電子雑誌,電子オーディオブックが提供されている。電子書籍のタイトル数は,約4.3万点である(2025年11月時点)。これらは,Libby アプリで利用できる。
図書館員によると,OverDrive の電子コレクションサービスでは図書館間で連携が組まれているという話しだった。カナダでも,日本と同様に電子書籍は貸出回数や貸出期間に制限がある上,ライセンス料が高い。そのため,複数館による連携は重要とのことだった。ミシサガは2021年にハミルトン,バーリントン,ロンドン,オタワと協定を結び,約26万点のタイトルにアクセスできるようになった1。その後,キングストン・フロンテナックやミルトンも加わり,約38万点に増加したという2。ただし,これらの数字には重複タイトルが含まれている可能性がある。
こうした協定は,相互貸出協定(Reciprocal Lending Agreement: RLA)と呼ばれている。OverDriveによると,RLAはコンソーシアムのように契約主体を一つにする方式ではなく,各館が個別にライセンス契約を維持したまま,連携相手のコレクションを共有する仕組みとされている3。コンソーシアムと比較して緩やかな連携といえそうである。
実際の利用は,まず OverDrive の画面上部にある「パートナー図書館」のリンクから利用したい図書館を選択し,そこで資料を探す。借用の際は,自分の図書館の利用券を用いる。予約は可能だが,予約待ちが発生した場合には,そのタイトルのライセンスを持つ図書館の利用者が優先される4。こうした仕組みは,バリーの図書館で見た CloudLibrary の運用と似ている。なお,RLAでは,OPACが一体化しているわけではなく,横断検索システムも用意されていないようである。この点では,CloudLibraryと比較して分散的である。
RLAは,利用者の選択肢を広げる点,未利用電子コレクションを有効に活用できる点,利用率を上げられる点,相互貸借的な機能提供につながる点で,意義があると言えよう。
- https://www.mississauga.ca/city-of-mississauga-news/news/borrowing-just-got-better-access-260000-additional-book-titles-through-mississauga-librarys-lending-partnership/ ↩︎
- https://www.bpl.on.ca/services/borrowing/moretoborrow ↩︎
- https://company.overdrive.com/wp-content/uploads/2024/04/RLA-Matt-Amory.pdf ↩︎
- https://help.hpl.ca/support/solutions/articles/63000062006-partner-library-borrowing-burlington-kingston-frontenac-london-mississauga-ottawa ↩︎