“Public Libraries Respond to COVID-19“の続きで,今回はWiFiである。WiFiについては,3つのことを尋ねている。一つ目が閉館後,WiFiをどうしたかである。81%は「以前と変わらず提供している」で,12%が「COVID-19以降,拡張または追加している」である。日本での導入状況は不明だが,これほど高くはないだろう。
二つ目は図書館の建物外からアクセスできるようWiFiを設置しているかどうかである。こちらについては,36%が「以前から設置し閉館中も設置している」である。8%は,「拡張または追加している」である。利用者は図書館の駐車場などから利用するようである。
三つ目はHotspotの貸出しを尋ねている。Hotspot,日本ではモバイルWiFiまたはWiFiルータと呼ばれるものであろう。映画「ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス」でも貸出しのシーンが出てきたと記憶している。これについては21%が「実施」し,2%が「新たに開始した,あるいは拡大した」と回答している。
日本でも図書館内のネットワーク環境の整備が言われてきたが,まだまだであろう。それと比較してアメリカでは進んでいる。
日本もアメリカも学校,大学が閉鎖されており,大学などではオンラインに移行している。慶應義塾大学でも4月30日に授業が開始されるが,文学部では最初の数回はオンラインが原則になっている。この場合,学生のコンピュータやネットワーク環境の確保が課題になる。Voice of Americaの”School Closings Make Home Learning Hard for Some“という記事では,低所得世帯の貧弱なネットワーク環境が家庭学習を困難にしている状況が問題となっている
教育に関わる機関として,公共図書館がそうした環境を整備することが重要になっている。日本でも,こうした観点から環境整備が考えられてもよい。