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特措法と東京都の要請の整理 no.3

今回,東京都は「特措法によらない協力依頼を行う施設」にも要請した。そこに1,000平米以下の図書館が含まれている。具体的には,「同1,000平方メートル超の施設に対する施設の使用停止及び催物の開催の停止要請(=休業要請)の趣旨に基づき、適切な対応について協力」とされていた。

このように,今回,東京都内すべての図書館に対して要請と協力依頼が行われたことになる。

ここまでの議論でいくつか確認をしておくと,まず,特措法施行令でいう「図書館」は図書館法上の図書館,すなわち,公共図書館を指すと考えられるが明確ではない。また,1,000平米超は「要請」,以下は「協力依頼」であり,いずれも強制力はなく,違反に対する罰則もない。

こうした要請にしたがうこと,つまり図書館の閉館は必要であろう。しかし,今後,次第に図書館の活動をもとに戻していくことが求められる。図書館関係者は,図書館に求められる社会的役割・期待を重く受け止めるべきである。そして,活動をもとに戻していくために,国,都道府県,自治体,さらに社会の動きをしっかりモニターしつつ,準備をすすめる必要がある。

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特措法と東京都の要請の整理 no.2

上記告示により,都道府県知事は特措法第45条などに基づく各種措置が可能になった。東京都では,4月10日,第19回東京都新型コロナウイルス感染症対策本部会議で「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」が示された。ここでは,医療機関への通院,食料の買い出し,職場への出勤など,生活の維持に必要な場合を除き,原則として外出しないことを要請した。また,同法第24条第9項(以下参照)に基づき、施設管理者もしくはイベント主催者に対し、施設の使用停止もしくは催物の開催の停止を要請した。第24条第9項は,第45条と比較して私権制限に,より抑制的である。

9 都道府県対策本部長は、当該都道府県の区域に係る新型インフルエンザ等対策を的確かつ迅速に実施するため必要があると認めるときは、公私の団体又は個人に対し、その区域に係る新型インフルエンザ等対策の実施に関し必要な協力の要請をすることができる。

発表された休止を要請する施設等は新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令(以下特措法施行令)第11条に該当するものである。第11条には第1項第10号として「十 博物館、美術館又は図書館」が挙げられている。なお,同条は「第十一条 法第四十五条第二項の政令で定める多数の者が利用する施設は、次のとおりとする。」とあるように本来は特措法第45条に基づく要請対象施設である。 図書館部分の要請内容は以下のとおりである(図書館部分のみ)。

施設の種類要請内容内訳
集会・展示施設施設の使用停止及び催物の開催の停止要請(=休業要請)博物館、美術館又は図書館、ホテル又は旅館(集会の用に供する部分に限る。)* 床面積の合計が1,000平方メートルを超えるものに限る。

  東京都の要請はさらにあるが,つぎの記事で。

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特措法と東京都の要請の整理 no.1

東京都内の公共図書館では,緊急事態宣言や自治体からの要請により閉館に至った。このことについて,制度的な整理をしておきたい。ここでは,まず,国の動きについて。

2020年4月7日に新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)第32条第1項(以下参照)(以下特措法)に基づき新型コロナウイルス感染症に関する緊急事態が発生した旨が政府対策本部長(内閣総理大臣)により宣言(告示)された。措置を実施すべき期間は4月7日から5月6日で,区域は,埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県,福岡県である。

第三十二条 政府対策本部長は、新型インフルエンザ等が国内で発生し、その全国的かつ急速なまん延により国民生活及び国民経済に甚大な影響を及ぼし、又はそのおそれがあるものとして政令で定める要件に該当する事態が発生したと認めるときは、新型インフルエンザ等緊急事態が発生した旨及び次に掲げる事項の公示をし、並びにその旨及び当該事項を国会に報告するものとする。
一 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき期間
二 新型インフルエンザ等緊急事態措置を実施すべき区域
三 新型インフルエンザ等緊急事態の概要
* 条文中の( )内は除く

なお,図書館との関係では,文部科学省総合教育政策局地域学習推進課が「社会教育施設において行われるイベント・講座等の開催に関する考え方について(令和2年3月21日時点)」を発出していることを付言しておく。実際には2020年2月下旬ごろから図書館では閉館や事業縮小が見られるようになっていた。これを受けた東京都の対応について,次に述べる。